NEWS RELEASE


TheShokoChukinBank


平成18年3月29日
商  工  中  金







ICタグを活用して在庫管理を行っている養豚業者に対して
アセット・ベースト・レンディングを実行

−我が国で初めてICタグ活用型のABLを実現−


 商工中金は、3月29日、養豚業者である有限会社十和田湖高原ファーム(秋田県鹿角郡 代表取締役:豊下勝彦)に対し、ICタグによって管理された当地域のブランド豚である「桃豚」を担保に極度額2億円の融資枠を設定しました。
 本件取組みは、アセット・ベースト・レンディング(ABL)の一形態ですが、以下の特徴を有します。

本件の特徴
(1) 農業分野のABL
   養豚場内の肥育豚約1万頭を担保としています。したがって、農業分野におけるABLの先駆的な事例です。
(2) ICタグによる在庫管理
   肥育豚は、富士通株式会社のご協力によって個別の豚の耳にICタグが付けられ、個体識別管理がなされており、有限会社十和田湖高原ファームは、養豚業界では画期的なICタグによる管理を行うことにより、「生産情報公表豚肉」JAS規格への対応のほか、きめ細かな在庫管理、生産性向上を実現しています。
 なお、ICタグは近年、大企業を中心に活用されていますが、本件は中小企業、加えて農業分野におけるICタグ活用の事例として業界の範となっています。
(3) コベナンツ(契約期間中に借入人が遵守することを確約する条項)
   適切なコベナンツを付すことで、債権者の立場からガバナンスを発揮できること。
(4) 停止条件付連帯保証
   停止条件付連帯保証として、連帯保証債務の発生を一定のコベナンツ違反の場合に限定し、経営者として誠実に事業を遂行し、借入金の返済に努力していると認められる限り、(たとえ借入企業の事業及び、財務状況が結果的に悪化したとしても)経営者の個人責任を追及しない(連帯保証責任を負わない)方式を採用していること。

アセット・ベースト・レンディング(ABL)モデル図

* ABLとは
   在庫が販売され売掛金となり、売掛金が回収される過程の「事業のライフサイクル」に着目し、在庫・売掛金を一体として担保として極度融資枠を設定するスキームを言います(別図参照)。
 商工中金のABLモデルは、原則としてこの「事業のライフサイクル」のみを貸付の主要な引当てとするものであり、借入企業の不動産、機械設備もしくは、有価証券を担保として徴求したり、または代表者の個人の信用力に過度に依存したりすることを想定していません。その意味で商工中金のABLは、動産・不動産や債権を個別に担保と捉えてきた従来型の融資実務とは根本的に発想を異にする取組みであり、中小企業の資金調達の多様化に大きく寄与するものです。また、このモデルは、経済産業省の「ABL普及促進支援事業」のモデル事業としても認定されております。

今後とも商工中金は、このような農業分野への融資にも取り組むことで、地域の振興・活性化を支援し、地域経済の発展に貢献してまいります。

2. 融資先企業及び本件ABL概要
企業名 有限会社十和田湖高原ファーム(秋田県鹿角郡、養豚業、資本金1千万円、従業員25名、年商12億円)
取組金額 リボルビング型貸付(極度額)、2億円
担保 肥育豚(約1万頭)、豚販売代金
事業概要 養豚業を営み、「桃豚」ブランドで知られるSPF(Specific Pathogen Free)豚を生産・出荷。
国内の養豚業では初めてICタグを導入する等、最先端の在庫管理を実施している。