商工中金は設立以来、長期・安定的な取引関係を通じて、中小企業の企業価値向上と持続的な成長を目的に、経営改善・事業再生支援に取り組んでまいりました。
17年度につきましては、大手行の大企業主体の再生が一段落し、事業再生の焦点が地方・中小企業に移っていく中で、当金庫は地域金融機関や中小企業再生支援協議会・整理回収機構(RCC)・地域再生ファンド等と積極的に連携し対応しました。また、事業キャッシュフロー(以下CF)を見極めつつ、DDS・償還条件付DES等の新たな再生手法も活用し、中小企業の抜本的な財務改善を後押ししました。
中小企業の経営改善・事業再生に積極的に関与することは、当金庫にとりまして重要な取り組みと位置付けており、引続き地域金融機関や各関係機関と連携し、効果的な取り組みを推進していきます。
なお、商工中金では、中小企業の持続的な成長を支援するためのこうした取り組みをとりまとめ、「17年度政策評価報告書」として公表する予定です。
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主な連携・再生支援の実績(詳細:別添)
| 連携・再生支援の内容 |
15年度 |
16年度 |
17年度 |
| 1 |
外部機関との連携による再生支援
(中小企業再生支援協議会) |
18億円 (40件) |
19億円 (81件) |
51億円 (122件) |
| 外部機関との連携による再生支援(RCC) |
38億円 (21件) |
11億円 (16件) |
42億円 (35件) |
| 2 |
多角的な再生支援手法の活用 |
2件 (DDS:1件) (DES:1件) |
2件 (DDS:1件) (DES:1件) |
15件 (DDS:13件) (DES: 2件) |
| 3 |
事業再生支援貸付 (DIPファイナンス)による支援 |
54億円 (58件) |
45億円 (49件) |
98億円 (73件) |
| 企業再建支援貸出制度による支援 |
1,614億円 (47,332件) |
1,178億円 (38,659件) |
914億円 (27,990件) |
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1.中小企業再生支援協議会との連携
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再生手続にかかる透明性・公平性を確保しつつ、地域の実情に応じた中小企業の再生支援を促進する観点から、当金庫は公的機関である中小企業再生支援協議会と積極的に連携しました。これまで全国の中小企業再生支援協議会による計画策定が完了した案件数は894件(中小企業庁発表18年3月末時点)ですが、当金庫は243件(15年度40件、16年度81件、17年度122件)について関与しました。
17年度は、当金庫からお取引先に対し、協議会の活用を積極的に提案し、協議会に161先について相談・持込を実施しました。そのうち73先は経営改善計画策定に着手しています(計画策定完了先は23先)。
また、全国3ヶ所で実施された協議会の実務者研修(独立行政法人 中小企業基盤整備機構主催「企業再生支援専門家向け研修」)に講師を派遣し、事業再生の実務・個別事例等を紹介するなど、専門的な人材の育成に貢献しました。さらに再生実務の高度化を目的とした当金庫職員向け「経営改善支援研修」の際に、協議会から講師を招いて実務の進め方について講義をいただきました。
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2.多角的な再生手法の活用
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| ●DDS1による再生支援 |
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平成16年3月、当金庫は「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」に沿ったDDSを、我が国で初めて取り組みました。以来、中小企業の早期再生を促進する自己資本増強策として積極的に活用し、累計15件(17年度13件)に対応しました。
さらに、DDSのスキームや契約書を公開するとともに、地域金融機関との協調によるDDSの活用や、当金庫より講師を派遣し研修会等を通じノウハウ提供するなど、その普及に向けた活動を精力的に行いました。 |
| ●償還条件付DES2による再生支援 |
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DDSの導入が困難な場合等の再生手法として、「償還条件付DES」を開発し、これまでに2先に導入しました。このスキームについては中小企業再生支援協議会全国連絡会議にて概要を発表しています。 |
| ●事業再生支援貸付(DIPファイナンス)3による支援 |
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DIPファイナンスは法的再生手続などを進めている中小企業に対する融資制度です。17年度は73件/98億円と取扱い件数・金額とも前期比増加しています。
また、法的再生手続きの早期終結を目的に、エグジットファイナンス4 にも対応し、中小企業の金融取引の安定化に寄与しました(17年度 3件 6億円)。 |
| ●企業再建支援貸付5による支援 |
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再生計画の進捗フォローとともに、企業再建・事業再生に必要な資金ニーズに対して、「企業再建支援貸出制度」を活用し対応しました。17年度は27,990件/914億円です。 |
1DDS(Debt Debt Swap):
債務の劣後ローン化。債務者が債権者に対して負う既存債務を別条件による債務に変更すること。通常、金融機関の既存の貸付金を他の債務よりも劣後する劣後ローンや劣後債に変更する意味で使われることが多い。 |
2DES(Debt Equity Swap)債務の株式化。
企業の債務を資本に振り替え、債務削減を図る手法。債権者にとっては、保有資産の種類が債権から株式に変更される取引。「償還条件付DES」はその一類型。 |
3DIPファイナンス:
会社更生、民事再生、商法上の会社整理といった再建型法的倒産手続きの申立をした企業や認可決定後の再生事業者、私的整理ガイドラインに基づき再建中の企業等に対する、申立て後手続き終結までの融資 |
4エグジットファイナンス:
民事再生や会社更生手続を開始した企業が法的再生手続を早期に終結させる目的で、民事再生法における再生債権および別除権債権等、または会社更生法における更生債権および更生担保権等を一括返済するために受ける融資のこと |
5企業再建支援貸出制度:
法的整理等には至っていないが、過剰債務を抱え、自主努力により企業再建を図ろうとする事業者等を支援することを目的とした商工中金独自の貸出制度。 |
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