社長ご挨拶

 皆さまには、平素より格別のお引き立てを賜わり、誠にありがとうございます。 このたびは、危機対応業務の要件確認における不正行為につきまして、お客さまをはじめ、国民の皆さまに多大なご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
 本事案が発生したことを受け、外部の専門家から構成された第三者委員会を平成28年12月12日に設置し、平成29年4月25日に調査結果及び提言等を第三者委員会から受領しました。さらに、平成29年5月9日付けで主務省から、商工組合中央金庫法第59条及び株式会社日本政策金融公庫法第24条に基づく行政処分を受け、平成29年6月9日、同命令に基づき作業工程並びに業務の改善計画を提出いたしました。

<概要と当金庫の認識>
 危機対応業務を行うにあたっては、お客さまが危機対応業務の貸付対象となる要件である「危機の影響により、一時的に売上げの減少その他の業況の悪化を来している」ことなどを、お客さまから提出された試算表等に基づき確認をいたしますが、一部の職員がその試算表等の数値・日付の入替え、変更等の改ざんを行ったものです。
 本事案が発生した原因については、以下の点が特に重要であると認識しております。    
 ① 不正リスクへの認識が甘く、不正防止に係る手続きの不備など管理態勢
   が不十分であったこと
 ② 危機時に備えて措置された危機対応業務の予算を営業店の業績評価に
   組み込んで配分したことなどにより、国の施策の制度趣旨に沿った運用
   を十分に徹底できず、本部から現場に過度なプレッシャーを与えてしまった
   ことや、コンプライアンス意識が不十分であったこと
 ③ 池袋支店において、過去に不正行為を把握する機会があったにもかかわらず、
   その機会を逸し、十分な再発防止策を講じられなかったこと

<行政処分>
 5月9日に受けた行政処分の内容は、以下の通りです
 ① 調査未実施の危機対応貸付全体について、外部の専門家のチェックを
   受ける等により客観性を十分に確保した調査を継続し、当該調査の結果や
   第三者委員会の調査結果を踏まえて問題の所在やその根本原因を特定すること
 ② 危機対応業務に係る業務運営の適切性を確保するため、適切な業務推進及び
   法令等遵守に取り組むための経営姿勢の明確化とマネジメント体制の整備・強化、
   組織全体での法令等遵守意識の醸成、不正リスクを踏まえた上での業務の適正性を
   確保するための業務フローの整備に直ちに取り組むこと
 ③ 危機対応業務の要件に該当しない案件について、他の貸付への振替等により取引先
   に不利益を及ぼさないよう適切かつ速やかに手続きを行うとともに、株式会社日本
   政策金融公庫との損害担保契約の解除や既に支払いのあった利子補給金等の株式
   会社日本政策金融公庫への速やかな返還等の適切な対応を行うこと   

  命令は、①及び③の作業工程並び②の当面直ちに実施すべき業務の改善計画を
  提出し、直ちに実行する旨の内容となっております。
   また、特定された問題の所在や根本原因等を踏まえ、法令等遵守態勢、経営管理
  態勢及び内部管理態勢の整備・強化等に関し、主務省から、新たな行政対応を検討
  することが申し添えられております。

<命令に対する作業工程並びに業務の改善計画>
6月9日に提出した作業工程並びに業務の改善計画の内容は、以下の通りです。
(1)継続調査の作業工程は、客観性を十分確保した上で、調査未実施口座全件を対象として調査を継続し、平成29年9月末の完了を見込んでおります。また、調査と並行して、問題の所在と根本原因の特定に取り組みます。
(2)当面直ちに実施すべき業務の改善計画の内容は、
 ① 経営姿勢の明確化とマネジメント体制の整備・強化のため、代表取締役社長直轄
   の改革本部を設置しました。また、コンプライアンス会議及び内部監査会議を社長
   を議長とする経営会議に格上げするとともに、社外取締役、社外監査役を招聘し、
   ガバナンス体制の強化を図りました。
   さらに、危機対応業務を業績評価の枠組みから除外し、顧客本位の仕事を適切に
   行っていくための体制構築を図るべく、業績評価の見直し等に取り組みます。
 ② 組織全体でのコンプライアンス意識の醸成を図るため、全職員に対するコンプライ
   アンス研修について質量ともに改善し、研修を継続的に実施します。
 ③ 不正リスクを踏まえた業務の適正の確保として、危機対応業務の要件確認に
   おいて、試算表等のエビデンスは管理職が真正性確認を行うよう事務手続きを変更
   しました。また、本部に危機対応業務管理室を設置して、個別案件の全件について
   事前協議と事後監査を行う体制に変更し統制強化を実施しました。
(3)要件に該当しない案件への作業工程は、顧客に不利益を及ぼさないよう適切かつ速やかに手続きを行います。また、株式会社日本政策金融公庫への既に支払いを受けた利子補給金の速やかな返還等を適切に行います(第三者委員会判明分は対応済)。
 社長直轄の改革本部の下、当該調査の結果等を踏まえ、問題の所在や根本原因を特定し、全容を明らかにした上で、抜本的な再発防止策の策定や役職員の責任の明確化等、必要な対応に全力で速やかに取り組んでまいります。原点に立ち返り、業務の改善計画を迅速・着実に実行していくことで、皆さまから再び信頼いただけるよう努めてまいります。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

 平成28年度のわが国の経済は、年度前半は海外経済の減速や金融市場の動揺を受け、景気回復の動きに停滞感がみられました。年度後半になると海外経済の持ち直しや消費マインドの回復を受け、持ち直しの動きがみられました。
商工中金の「中小企業月次景況観測」において、中小企業の景況感は一進一退で推移しました。人手不足と回答した企業の割合が調査開始以来の最高値を更新するなど、労働需給の逼迫による人件費負担の増加等が懸念されています。
このような環境のもと、平成28年熊本地震をはじめとする突発的な自然災害や世界経済の減速等の外的要因による中小企業の皆さまの業績や資金繰りへの影響を踏まえ、危機対応業務の実施を責務とされた指定金融機関として、引き続きセーフティネット機能の発揮に最大限の対応を図り、中小企業の皆さまの資金繰りや経営の安定化へのサポートを通じて、地域の雇用維持、経済の安定化に貢献できるように取り組んでまいりました。
 収支につきましては、低金利環境の下、利回りの低下等により資金運用収支は減少いたしましたが、491億円の経常利益、313億円の当期純利益を計上することができました。この間の株主の皆さまならびにお取引先の皆さまのご支援に厚くお礼申し上げます。
 景気は、設備投資が一進一退であるものの、海外経済の回復や雇用環境の改善を受け、持ち直しの動きがみられます。中小企業の景況感は、概ね横ばいの動きとなっていますが、原油価格の上昇や人手不足の影響等により、今後のコスト上昇への懸念が高まっています。
 また、将来的には人口減少時代の本格到来やグローバル化の一層の進展が見込まれ、中小企業の経営ニーズは、一層高度化・多様化することが考えられます。そうした経営ニーズに対し、セーフティネット機能はもとより、ネットワーク機能やソリューション機能を最大限活かし、中小企業や地域経済を支えていくことは当金庫の使命そのものであります。
 日本銀行による金融緩和により、金融機関を取り巻く経営環境は変化しておりますが、顧客第一主義の業務運営を徹底・実践することを通じて、引き続き皆さまから信頼され、選ばれる金融機関として、中小企業と中小企業組合の企業価値向上や地域活性化への貢献に全力をあげて取り組んでまいります。
 まず、業績や資金繰りに影響が生じている中小企業からの借入相談に対しては、懇切・丁寧を旨とし、個々の相談者の事情に十分配慮しつつ対応してまいります。また、危機対応業務の実施を責務とする指定金融機関として、迅速・適切に対応し、引き続きセーフティネット機能の発揮に組織をあげて最大限取り組んでまいります。
 成長支援につきましては、戦略的に海外展開を行う中小企業、地域経済への波及力の高い地域中核企業、地域資源の活用に他の事業者と連携して取り組む中小企業や中小企業組合に対し、地域金融機関等と連携し、リスクマネーを供給してまいります。生産性向上を目的とした設備投資、集約化等の事業再構築、人手不足への対応等に関するニーズの高まりが見込まれる中、「適時適切な成長資金の供給」、「海外展開支援」、「M&Aや事業承継支援」、「ビジネスマッチング」等への取組みを強化してまいります。
 さらに、再生支援につきましては、各支援機関との連携を一層強化し、経営改善計画の策定支援やそのフォロー等のコンサルティング機能の発揮、抜本的な再生支援、金融取引の正常化支援等に取り組んでまいります。
 また、安定的な調達基盤の拡充、一層の経営合理化に取り組むことによる健全な経営基盤等の構築により、当金庫の使命である中小企業と中小企業組合の持続的成長に貢献してまいります。
 今回の問題を真正面から受けとめ、真摯に反省するとともに、「中小企業による、中小企業のための金融機関」としての使命、社会的責任をいま一度強く自覚し、役職員一丸となって、皆さまから再び信頼いただけるよう全力で努めてまいります。
 皆さまにおかれましては、引き続き変わらぬ力強いご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


平成29年7月
株式会社商工組合中央金庫
取締役社長
   安達 健祐

▲ このページのトップへ

  • 店舗一覧
  • ATMご利用案内
  • お問い合わせ
  • よくあるご質問
  • キャンペーン情報
  • 広報誌ちゅうきんだより
  • 経済レポートなどのご案内
  • 商工中金情報ネットワーク(お取引先の方へ)
  • 商工中金グループ
  • 関連リンク
  • ご意見コーナー
  • 預金保険制度について
  • 振り込め詐欺救済法への対応について
  • 金融円滑化に向けた取組みについて
  • 商工中金の苦情対応・紛争解決の概要