輝く地域の中小企業

履き心地にこだわり
ブランドを育てる

マドラス株式会社

イタリア靴の技術と伝統を取り入れた繊細な靴作り

革靴文化の定着に貢献

オーダーメードのための採寸。データを入力すると、左右それぞれの足に合わせた最適の靴型が自動的に選択される独自システムを導入している。6万円からのお手頃な価格帯で、月40~50足程度の受注が可能

革靴の文化は、明治の文明開化とともに日本に入ってきた。その定着に貢献したブランドの一つ「マドラス」を育てたのが、マドラス株式会社(名古屋市、岩田達七社長)だ。自社ブランドによる革製の紳士靴・婦人靴を中心に商品展開をし、プライベートブランド(PB)向けにPU(ポリウレタン樹脂)を含むカジュアル靴なども製造・販売している。
同社は1873(明治6)年に初代岩田武七が創業し、陸軍との資材取引もあった岩田商店が起源。二代目武七が多角化を進め、1921(大正10)年、質実剛健な靴が作れるグッドイヤー・ウエルト式製法の製靴機械を米国から輸入して亜細亜製靴株式会社(現マドラス)を創業し、軍靴を作った。戦時中は工場も増やしたが、戦後は需要がなくなり苦境に陥った。
それを立て直したのが現社長の父・孝七氏である。65年には、イタリアのマドラス社と技術提携を行い、イタリア靴の技術と伝統を取り入れることに成功した。「イタリアから来たマッケイ式製法は、薄く軟らかい革を使えるため、軽量で足になじみ履きやすい靴が作りやすい。日本人向きだ」(岩田社長)

ビジョンを語る岩田社長

83年に現社名に変更、94年には全世界におけるマドラスの商標権を譲り受けた。並行して有名ブランドのライセンス生産も行い、成長した。
しかし、バブル崩壊で事態は急転。90年にセカンドブランド「MODELLO」を立ち上げたのも、大口のライセンス生産が消滅したのがきっかけだ。不動産の処分等で危機は乗り切ったが、苦境は続いた。見かねた達七氏が手を挙げて、2000年、紳士靴販売の子会社マドラスコーポレーション株式会社社長に就任した。

旗艦店、直営店を展開し、新ブランドにも挑戦

塗り工程も同社の強み。ベテラン職人が、色の薄い革に1足ずつ丁寧に何度も染料を重ね塗りする。写真の石本氏は2013年、(一社)日本メンズファッション協会のMFUマイスター《技術遺産》認証を取得。また、塗料メーカーと色落ちしにくい塗料の開発を続けている

「従来のライセンス生産や卸では先がない。製造小売(SPA)を目指すべきだ」と考えた岩田社長は、10年にマドラス本体の社長に就任すると、翌年には銀座にマドラスの旗艦店を出店した。自社製品のみを置き、ブランドイメージの定着を図る戦略だ。さらに東京・八重洲、名古屋・栄などに出店を続け、今年は大名古屋ビルに新店をオープンした。
ヨーロッパでの情報収集でデザインでも最先端を目指し、毎月技術委員会を開いて、地道な改良も進める。「製品力を維持、発展させるのに自社工場は不可欠」(岩田社長)

客が各パーツの色を選び組み合わせられるというレザースニーカーのカラーオーダーを開発中。デザイナーは靴作りの専門教育を受けたスペシャリストだ

さらに、新ブランドJADEで、元気のあるスニーカー市場に参入。各種流通チャネルを統合したオムニチャネル化も進め、創業100年の5年後までにシステム完成を目指す。
業界の発展が自社の発展にもつながると考える岩田社長は、業界の活性化のため「靴市の日」(9月21日)を制定。同業者や百貨店等も巻き込み今年からキャンペーンを張る。
「私たちは自分たちの友人や家族に自信を持ってすすめられる商品しか提供しません」との行動指針のもと、高品質な製品を作り続けている。

企業データ

  • 本社:名古屋市中区栄2-15-6
  • HP:http://www.madras.co.jp/
  • TEL:052-211-4780
  • FAX:052-211-4738
  • 創立:1921(大正10)年5月
  • 資本金:3億9400万円(グループ計)

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