輝く地域の中小企業

幅広い技術・開発力で事業領域を
拡大する総合機械メーカー

株式会社アルモウルド

難しい仕事が会社を成長させる

どんな仕事も断らず、事業領域を拡大

ワイヤーソー向け強化リール(ボビン、有帆工場)。難削財の超々ジュラルミンから削り出す。半導体のシリコンウエハを切断するワイヤーソーを巻き取る部品で、高い硬度が必要なため、高度な加工技術が求められる

 機械は多種多様な部品からできている。これらの部品、あるいは部品の部品といったものの製造の多くを中小企業が担っている。
 「何の仕事でも断らない」をモットーに、この多様な機械部品等の製造を幅広く受注することで発展してきた総合機械メーカーが、㈱アルモウルド(山口県宇部市、杉野修二社長)だ。
 岸野昭二会長は、鉄工所でものづくりに携わるなか独立を志し、1967(昭和42)年に同社を創業した。

「モットーは『何の仕事でも断らない』」と語る岸野会長

当初は継手等の金物や機械部品、機械加工などを手がけ、72年には現在の本社工場が完成。91(平成3)年に実質的に本社機能を持つ有帆工場、97年に大物機械加工を中心とする大塚工場を完成させた。
 後継者難のメーカーから工場を引き継いで高圧容器を主とする一般機械製缶に取り組むなど、M&Aや設備投資を積極的に行ってきた。
 「当社の企業理念は顧客第一、技術立社、積極進取。NOと言わず、難しい仕事にも積極的に挑戦し考えることが、技術の進歩につながる。さらに、M&Aでも事業領域を拡大してきた」と岸野会長は語る。

技術と設備を幅広く保有し受注につなげる

写真は化学プラント用のタンク(プラント工場〈宇部市〉

 現在の同社は、産業プラントから精密部品加工・組立まで、幅広く製造設備およびノウハウを保有する。難削材の加工、半導体製造装置、機械製造装置、金型等、多様な受注をこなすほか、多分野の技術を必要とする受注に強みを発揮し、設備装置設計での提案力にもつながる。

貪欲に新たな技術を追求する

人の育成と設備の強化に尽力し地域社会にも貢献

異形伸線加工機械。金属線の断面を複雑に変えながら伸線するもので、ここでは外科手術用の縫合針の素材となる八角形の断面のワイヤーが加工できる。医療現場の要望に基づく加工機械の研究に参画し、検査機も設計した。今後の技術の応用にも期待がかかる(同社提供)

同社では、人材の育成にも力をいれている。技能検定による資格取得を奨励し、1級を取得した者には手当をつけるインセンティブを実施している。
 M&Aについても、「雇用が引き継がれ、優れた技術を伝承することは、日本経済全体を見てもメリットになる。これまで吸収した企業は、ほかの人は目もくれなかったが、私は自分の目で見て、良いものがあると考えて、引き継いだ。研究機関との連携も積極的に進めており、外部ノウハウの導入による技術力向上には、今後とも取り組んでいきたい」と、岸野会長は今後の展望について語る。

企業データ

  • 本社:山口県宇部市際波1770-1
  • HP:https://www.almould.co.jp/
  • TEL:0836-83-1011
  • FAX:0836-83-2486
  • 創業:1967(昭和42)年11月
  • 設立:1982(昭和57)年3月
  • 資本金:4000万円

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