輝く地域の中小企業

日本唯一の鮮度保持の
トータルアドバイザーとして躍進

株式会社鳥繁産業

衛生管理等を含む情報・ノウハウも提供

石灰石産地で石灰乾燥剤の製造・販売を始める

シリカゲル封入機。包材の両側を細い棒状の検知器ではさみ、ふくらみの度合で内容量を確認すると同時に検品も行う

 お菓子をはじめとする加工食品は、賞味期限まで鮮度を保つ必要があり、それには鮮度保持剤が不可欠だ。乾物から生ものまで、多様な食品形状に合わせ多様な鮮度保持剤があるが、そのすべてをラインアップして全国約1万軒の菓子屋に製造・販売するのが、㈱鳥繁産業(大分県津久見市、鳥越繁一社長)だ。
 津久見市は日本有数の石灰石の産地である。それを加工した消石灰は漆喰の材料のほか、酸性土壌の中和剤などに使われる。1895(明治28)年、現社長の曾祖父・鳥越京太郎氏が苦しい家計を助けるため丸京石灰工業所(現㈱丸京石灰)を創業、消石灰製造を始めた。1965(昭和40)年、大分市内の海苔屋から、「除湿乾燥剤に使うので石灰を小袋に入れて納品してほしい」と相談され、当時の丸京石灰の専務・鳥越克行氏(現社長の父)が、丸京石灰の石灰石を細かく砕く技術を活用して商品開発し、石灰乾燥剤の製造販売会社として鳥繁産業を設立した。

顧客のニーズに応えることで全国展開し商品も多様化

幅広いラインアップを誇る同社製品。上段左は「シートドライヤー」(シート状乾燥剤)、右は「ファインパック」(保冷剤)、中段左が「エバーフレッシュ」(脱酸素剤)、中央が「アルベール」(アルコール揮散剤)、下段は「シリカゲル」(乾燥剤)

 創業後20年ほどは、紙の小袋に石灰をスプーンで詰めたもの(商品名ドライカル)を大分近郊で販売していたが、菓子問屋の重鎮を通じて全国の菓子問屋とつながり、納期や大ロットなど菓子屋の困り事を解決しながら営業エリアを全国へ拡大した。
 顧客のニーズに応えて、誤飲事故が多かった粒状乾燥剤に替わるシート状乾燥剤(シートドライヤー)、電子部品などにも使える乾燥剤(シリカゲル)、コバルトを使用しない環境対応型乾燥剤(コバルトフリー)など、既存の乾燥剤の進化、新商品開発に活発に取り組み続けた。
 酸化の原因となる酸素を取り除くため鉄粉を使う脱酸素剤(エバーフレッシュ)、半生菓子のしっとり感を保ちつつ鮮度を守るアルコール揮散剤(アルベール)も開発した。
 保冷剤(ファインパック)の製造も手がけるようになるが、ラインでカビが発生。そのカビ防止研究から、津久見の水を原料とし、除菌消臭能力を持つ微酸性電解水(ピュアスター、アクアサニター)が生まれた。

お客様の「美味しいを大切に」

鮮度保持のアドバイザーとしてあらゆる工程に関わる

「モノと情報を併せて提供することが大切」と語る鳥越社長

 同社の技術力やノウハウ、ラインアップの充実をさらに活用してもらおうと「お客様支援係」を設置。試験報告書の提示など、鮮度保持や工程の衛生管理などに関わるコンサルティングサービスを提供している。
 賞味期限についても、製造者の勘に頼るのではなく、預かったサンプルの多様な環境下での菌の増殖状況などを根拠として数値化し助言する。
 「贈答品のお菓子には、贈る人の感謝が込められ、贈られて食べた人の“美味しい”と思う感動が生まれる。私も社員も、それらの想いを感じながら、鮮度保持の役割の大切さを常に認識し、人々の幸せをささえているという誇りと感謝の気持ちを持ち続けたい」と鳥越社長は語る。

企業データ

  • 本社:大分県津久見市上青江4180
  • HP:https://www.torishige.co.jp/
  • TEL:0972-82-8133
  • FAX:0972-82-8157
  • 創業:1965(昭和40)年4月
  • 設立:1992(平成4)年7月
  • 資本金:4000万円

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