輝く地域の中小企業

造林から製材、森林土木まで
森に関わり環境・地域に貢献する

株式会社門脇木材

「木は全部使いきる」の精神で、より良い環境づくり

地元の森林を保全するため必要な仕事

 いま世界的に森林が危機に瀕している。熱帯のアマゾンやボルネオ、あるいは北のシベリアでも、年々森林が減少している。そのなかで日本の森林面積は約2500万haと国土の約7割を占め、40年にわたり横ばいが続いている。天然林は減少したが、人工林が増えているからだ。
 しかし、林業の衰退で人工林は急速に荒廃している。国産材の消費が進まず、森林蓄積(幹の体積≒資源量)の増加が続いて新規の植林が進まず、森林の高齢化で二酸化炭素の吸収量は低下しているといわれる。森林にも世代交代が必要なのである。
 ここに、植林を進めつつ、森林の伐採をして製材・出荷し、森林保全の土木工事も手がける会社がある。㈱門脇木材(秋田県仙北市、門脇桂孝社長)だ。門脇社長は、もともと勤めていた森林土木の会社を辞め、1990(平成2)年に㈲門脇木材を創業した。日本の山林の危機的状況のなか、故郷の山林を守るため、植林から建設までを一貫して手がける会社にしようと、当初の木材を切り出す素材生産から、製材、造林へと事業を広げ、森林土木(建設)および不動産部門も設置した。

「木は全部使いきる」ことが、強みとなり、社会貢献になる

 森林の管理請負なども始め、民有林の活用促進のため2008(平成20)年、山林所有者・素材生産業者・製材業者らと㈿フォレスト秋田(秋田県男鹿市、現㈱フォレスト秋田)を設立。トータルに森林を守り、活用し、育てる循環を構築し、13年には門脇木材を株式会社化した。
 「木は全部使いきる」がスローガン。15年には間伐材や端材、樹皮を利用して燃料チップに加工する㈱秋田バイオマスチップ(秋田県大仙市)を設立、翌年には工場を稼働させた。また、門脇木材協和工場(大仙市協和稲沢)には、最新の無人製材機を設備し、最適の木取りを自動的に行うことで、端材を最小限に抑える。太い大径材から細いものまで対応した機械を揃え、切り出した原木を使いきる体制を整えている。
 また、門脇社長の前職は森林土木業で、かつての勤め先が倒産したときに多くの従業員を引き取り、土木分野を強化した。ダムや林道建設などの仕事を中心に、同社の事業の柱の一つとなっている。

林業のさらなる可能性に挑戦

日本の林業の将来を見据えて

 日本の木材自給率は約35%だが、前述の通り、森林蓄積は増加し、適切な利用が進んでいない。公共建築物等木材利用促進法により、公共施設での木材利用推進など木材需要の増加、さらには森林の世代交代の促進も期待される。また、日本からの木材輸出の動きも出ており、同社も米国向け製材品の輸出を始めた。
 「山は一代ではできず、少なくとも50年はかかる。この先の世代のために山を何とかしたいと考え、この仕事をしている」と門脇社長は、会社の存在意義を熱く語る。

企業名:株式会社門脇木材 スライド

企業データ

  • 本社:秋田県仙北市田沢湖卒田字柴倉135
  • HP:http://kadowaki-mokuzai.com/
  • TEL:0187-44-2942
  • FAX:0187-44-3287
  • 創業:1990(平成2)年2月
  • 従業員:130名
  • 資本金:5250万円

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