輝く地域の中小企業

生コン圧送の最新鋭設備を
豊富に備え業界をリード

株式会社ヤマコン

設備ラインアップの充実と技能の高さで業界をリード

建設業の将来を見据えて地元財界の肝いりで創業

コンクリート打設の現場(同社提供)

 ビル建築には、コンクリートがつきものだ。かつては現場でコンクリートを練り上げていたが、固まらないよう攪拌(アジテート)しながら運べるアジテーター車の登場で、1955(昭和30)年以降、工場で練り上げた生コンの使用が急速に広がった。また、60年代後半からはコンクリート打設にポンプ車の導入が進んだ。
 生コンをポンプ車等で圧送し型枠に詰める圧送事業の業界で、最大の売上を誇るのが㈱ヤマコン(山形市、佐藤隆彦社長)だ。山形県内では7割強のシェアを持つが、さらに東日本各地に営業拠点を持ち、東京駅前のJPタワーなど各地のシンボル的物件を多数手がけてきた。
 65年、当時、石川島播磨重工業(現IHI)社長を務めていた山形県出身の田口連三氏と山形市財界人との懇談会で建設業近代化の取り組みが発表され、それを受ける形で山形コンクリートサービス㈱(現㈱ヤマコン)が設立された。石川島播磨製のコンクリートポンプ車の導入で省力化・省人化を目指し、「コンクリート圧送」事業の先駆けとなった。初代社長は山形市財界の有力者で、実質的に事業を立ち上げたのは、後に二代目社長となる佐藤勝彦氏(現社長の父)だった。

業界トップクラスの実力で県外に展開、国外も視野に

定置式コンクリートポンプ。超高圧での圧送が可能で、日本国内では高さ300mの高層ビルや長さ2000m先まで生コンを輸送した実績がある。またブームのみが独立し専用の柱に固定して使用されるディストリビューターとセットで使われることも多い。土木工事にもよく使われ、東南アジアの水道設備の施工現場でも活躍した

 同社は圧送業界の先駆け的存在として、創業時から県外でも積極的に受注を進めてきた。需要に応じてコンクリートポンプ車のラインアップを充実させ、機能のバリエーションを広げた。また、輸送管部分を車から独立させたディストリビューターや、超高圧の定置式ポンプなども揃えている。
 圧送業界で国内トップの売上を誇り、地域の経済成長牽引が期待される「地域未来牽引企業」の認証を受けた。さらに、災害時に被害を最小限に抑え早期に事業を再開できる会社づくりを進め、国土強靭化貢献団体認証も受けている。
 同時に、圧送という新しい業界で必要とされる人材の確保・育成にも力を注ぎ、技能工を正社員として雇用し、技能士等の資格取得を推奨してきた。併せて、外国人技能実習生を正社員として雇用するなど、優秀な人材を集め続けている。従業員の心身の健康や働きやすい環境整備に向けた取り組みも評価され、「健康経営優良法人2019」中小規模法人部門で認定を受けている。

高層建築向け設備で都市型建築工事対応を強化

広域で新規顧客を獲得

コンクリートポンプ車の模型を手に「『山形創業の全国企業』を目指す」と語る佐藤社長

 「現在でも売上の9割を県外で受注しているが、今後も首都圏をはじめとする広域で新規顧客を獲得し、大型工事の実績を積み上げたい。そのために、ディストリビューター等の最新設備を取り揃えた。今後は後継者難の課題を抱えた同業者のM&Aを推進して、取引空白地域を減らし、広く東日本での営業網を広げていきたい。また、国土強靭化計画に関連して、防災減災のための土木工事でも当社が強みを発揮する場面が増える。『山形創業の全国企業』を目指し、さらに海外展開も視野に入れたい」と佐藤社長の目標は大きい。

企業名:株式会社ヤマコン スライド

企業データ

  • 本社:山形市十文字天神東770
  • HP:http://www.yamacon.jp/
  • TEL:023-666-6066
  • FAX:023-686-9681
  • 創業:1966(昭和41)年3月
  • 従業員:250名(グループ計)
  • 資本金:9000万円

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