サポート事例

財務のリバランスと新旧経営者の二重保証を解消し、積極的な事業展開を行う愛知県の自動車部品製造業者をサポート!

代表取締役 伊藤 一也様

株式会社フクオカ(本社:愛知県海部郡飛島村)は、自動車のエアコン部品やモーター部品を製造するプレス加工製造業者です。設計、材料管理から金型・プレス加工まで一貫して手掛け、多工程品の加工に優れた本社兼飛島工場、プレスと溶接に優れた豊明工場、組付け作業に特化した中川工場、洗浄設備を備える弥富工場の4拠点体制で、お取引先のあらゆるニーズに高品質と短納期で対応しています。

「どんなニーズにも間違いなく応える企業であり続ける

同社は、1988年に創業者で現会長の伊藤九一郎氏が、ネジ関連製品の販売を手掛けていたところ、お取引先から「プレス加工部品を販売して欲しい」との要望を受け、設立されました。積極的な設備投資のもと高精度な技術で着実に受注を獲得し、1993年に飛島工場、2006年には豊明工場を建設するなど業容を拡大してきました。2007年には、豊明工場を増設し、プレス部門を強化、その後、同工場内に配送ヤードを設け、集中配送を開始するなど、お取引先の要望に応えてきました。

リーマンショックと円高により、お取引先の海外移転が加速

順調に業績を拡大させた矢先に100年に1度の危機が襲いました。リーマンショックです。70円台まで進んだ超円高によるお取引先の海外進出に加え、中国などの廉価な海外製品の台頭からコストダウン要請が強まりました。多品種少量生産を強みとしていた同社の製品数も4分の1に減るなど、一時的に厳しい経営を強いられましたが、効率的な生産体制の確立に向け、外国人技能実習生を受け入れるなど、外部環境の変化に耐えうる企業体質を構築していきました。

着実に経営体制を強化し、事業を次世代に承継

同社は、生産効率を高めるために4拠点体制による分業制を確立、2017年には現社長である一也氏に代表権を継承するなど、経営体制の強化に取り組んできました。一方で、中小企業に多く見られるように法人と個人資産が明確に分離されていないことから新旧代表者の二重保証の問題、また、長期資金の借入比率が高いことから、財務キャッシュフローと営業キャッシュフローのミスマッチが発生するなど、同社は早期に解決すべき課題を抱えていました。

30本を超える貸出本数と全ての借入金をシンジケートローンでリファイナンス

商工中金は、これらの課題解決に向けて事業性評価を行い、その内容をVレポートにまとめて、同社並びに他の取引金融機関と課題を共有しました。そして、全ての借入金をリファイナンスするシンジケートローンを通じて、新旧代表者の二重保証を解消しつつ、同社の財務CFを営業CFの範囲内に収束させました。これにより、同社は、大きな変革期を迎える自動車業界に対応するため、多品種少量生産でより付加価値の高いプレス加工に加え、将来的には現在の4拠点を集約し、さらなる生産性の向上に取り組む等、積極的な事業展開を図っていきます。商工中金は、お取引先の課題解決に繋がる財務構造改革を支援しつつ、本業支援を行うことで、中小企業の企業価値向上を図り、地域経済の発展に貢献していきます。

商工中金は中小企業の皆様へ
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