フクオカ×商工中金 中小企業を伴走支援 技術を未来へつなぐ vol.2 協調融資で財務改革 円滑な事業承継、金融面からサポート 提供:商工中金

提供:商工中金

協調融資で財務改革
円滑な事業承継、金融面からサポート

企業は事業を永続させることで従業員や家族の生活を守り、地域に貢献する。その実現に向け、多くの中小企業にとって避けて通れない課題が事業承継だ。商工中金は設立から85年にわたり、中小企業専門の金融機関として地元企業に寄り添い続けてきた。商工中金の伴走支援を紹介するシリーズ第2回は、自動車部品のプレス加工を手がけるフクオカ(愛知県飛島村)の事業承継について取り上げる。

多様化するニーズに
高品質・短納期で対応

フクオカ 取締役会長 伊藤 九一郎氏

フクオカ
取締役会長
伊藤 九一郎氏

特徴生かした4拠点分業体制

自動車関連企業が集積する愛知・名古屋エリア。その一角、広がる田園の中にフクオカは本社を構える。1988年の創業以来、自動車のエアコン部品やモーター部品などのプレス加工製造事業者として、設計、材料管理から金型・プレス加工までを一貫して手がけてきた。

多様なニーズに柔軟に対応できる多品種小ロット生産が同社の強みだ。本社飛島工場、豊明工場、中川工場、弥富工場があり、それぞれの特徴を生かした4拠点分業体制で、顧客ニーズに「高品質」「短納期」で対応。数多くの取引先から厚い信頼を得ている。

フクオカ 取締役会長 伊藤 九一郎氏

フクオカ
取締役会長
伊藤 九一郎氏

積極経営で危機乗り越える

同社の成長をけん引したのが創業者で現会長である伊藤九一郎氏による積極的な設備投資戦略だ。「付加価値を提供できる設備があるところに注文は入る。必要な設備はいち早く導入し、取引先の要請に応えるのが我々の責務。多品種小ロット生産のための設備は、質・量共に同業他社に負けない」と九一郎氏は話す。設備投資に裏付けられた高精度な技術を強みに、着実に受注を獲得していった。

同時に業容拡大も進め、2007年には豊明工場を増設してプレス部門を強化。一方で工場内に配送ヤードを設け、集中配送もスタートさせた。

逆風もあった。08年のリーマン・ショックでは、取引先の海外移転に加え、海外製品の台頭に伴うコストダウン要請が強まり、受注が激減。製品数が4分の1になるなど、一時的に厳しい経営を迫られた。

だが、新規雇用や外国人技能実習生の受け入れなど将来を見据えた人材活用を展開。効率的な生産体制を再び軌道に乗せ、経済危機の影響を最小限に食い止めた。

フクオカ 代表取締役社長 伊藤 一也氏

フクオカ
代表取締役社長
伊藤 一也氏

商工組合中央金庫 名古屋支店課長 平井 和昂氏

商工組合中央金庫
名古屋支店課長
平井 和昂氏

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経営者の想いに寄り添う

借り換え実施で二重保証解消

外部環境の変化に耐え得る企業体質への転換を進める中、新たなステップとして、17年に九一郎氏から息子で現社長の一也氏へ事業承継が行われた。

長年、融資を通じてサポートをしてきた商工中金は、これを機に「Value upレポート(Vレポ)」を作成した。Vレポとは、商工中金が調査した業界動向などを基にマクロ・ミクロの視点から事業評価を行い、今後の経営戦略をまとめたレポートだ。

同社と経営戦略を共有する中、円滑な事業承継のための喫緊の課題として「財務構造改革」と「新旧経営者の二重保証の解消」が浮上した。同社の場合、これまでの積極的な設備投資に伴い、借り入れが複数の金融機関にまたがっている上に、新旧経営者の保証が複雑に入り組んでいた。また年間の返済額も利益水準と合致しておらず、資金管理を含めた負担を見直す必要があった。

「会長から社長へ名実ともに経営を移していく中で、複雑な財務状況や保証が事業承継の妨げになっている」と判断した商工中金の平井和昂課長はフクオカに対し、取引金融機関協調によるシンジケートローン(協調融資)を提案。リファイナンス(借り換え)によってすべての借入金を一本化すると同時に二重保証問題を解消することで、スムーズな事業承継をサポートした。

「経営者にとって事業承継は必ず取り組まなければならない経営上の課題と認識しつつも、同族ならではのナイーブな部分もあって先送りしがち。しかし会社がなくなれば従業員の雇用やその家族、取引先、さらには地域社会や日本経済にも影響を及ぼす」と平井氏。「事業承継に関する課題は各社一様ではない。企業の課題を共有し、客観的かつ経営者の想いに寄り添って、各社に合わせた提案やアドバイスをするように心掛けている」と強調する。

社長主導の体制が整い、従業員の育成、技術の継承にも取り組む

社長主導の体制が整い、従業員の育成、技術の継承にも取り組む

強みを磨き、新規分野にも挑戦

財務・保証面の問題が解消したことで経営に集中できる環境が整った一也氏はコロナ禍でも積極姿勢を崩さない。CASE(つながる、自動運転、シェアリング、電動化)に代表されるように自動車業界は今、大きな変革期を迎えている。

そんな中、当社は多品種小ロット生産の強みを生かした付加価値の高いプレス加工に磨きをかける。将来的には4拠点を集約して生産性を向上させる一方、新たにツールや金型の内製化や物流システムの構築などにも取り組む予定だ。「商工中金は景気に左右されることなく、長期的な視点で経営面や資金面のサポートをしてくれるので心強い」と一也氏は頼れる金融パートナーに信頼を寄せる。

平井氏は「今後もビジネスマッチングやネットワークを生かした関連情報の提供など、お客様のニーズに即した伴走支援をしていきたい」と力を込める。

金融から本業支援まで、商工中金はこれからも中小企業にしっかりと寄り添い、サポートを惜しまない。

プレス加工の技術を磨き、付加価値の高い製品を生み出す

プレス加工の技術を磨き、付加価値の高い製品を生み出す