輝く地域の中小企業

"奥州いわいどり"の6次産業化で地元の食文化を創造し発信

株式会社オヤマ

子供に食べさせたい安全、安心、健康を追求した食を提供

養鶏から加工、流通、販売まで一貫生産体制で安全・安心を提供

「からあげ家」道の駅むろね店の外観と調理場

 磐井地方は岩手県の南端、現在の一関市のあたりを指す。磐井地方を中心に生産される岩手県産銘柄鶏が「奥州いわいどり」だ。植物原料主体の飼料にナラの木酢液、海藻、ヨモギ粉末等で肉質改善。安全なとりを目指し無薬飼料で飼育。枯草菌等で、腸内環境が整うことで健康な鶏になる。"植物飼料含めすべての"結果として、安心・安全かつ通常の鶏より旨味成分の多いおいしい鶏になっている。
 この地域ブランド鶏の確立に取り組むのが、㈱オヤマ(岩手県一関市、小山征男社長)だ。同社は、現社長の父・小山公也氏が1961(昭和36)年、ブロイラーの飼育および飼料販売事業を開始。やがてブロイラー処理業にも進出し創業、養鶏から流通まで事業を拡大。「雛から製品、加工、流通までの『一貫した生産体制』を地域に擁する企業グループ」とし、6次産業化を進めている。

クリスピーチキンの製造ライン(同社提供)

 具体的には、種鶏を交配し卵を孵化させる㈱高田ポートリー、孵化した雛を飼育する㈱オヤマファーム、約3㎏に成長した若鶏の処理・解体・包装・保管・出荷は本社が担当し、串刺し工場やデリカ工場などで食肉加工や惣菜加工を行い、流通させる。さらに、奥州いわいどりの唐揚げ専門店「からあげ家」を都心を含め他都県にも展開し、消費者に提供する。
 ちなみに、「からあげ家 奥州いわい」は、日本一の唐揚げ専門店を決める2018年の「からあげフェスティバル№1決定戦」で、初代優勝店舗となった。
 同社の一貫生産体制は、すべての段階で衛生管理を行うことで安全・安心の鶏肉を生産する。また、臭みを抑え、冷めても軟らかくおいしい鶏肉を独自に研究開発した結果、首都圏の居酒屋やテーマパーク等へも販路が広がった。

地域ぐるみで銘柄鶏に取り組み、「鶏の食文化を発信」

からあげ文化を地元に根付かせ名産品・特産品へと育てる

同社が運営するこまどり保育園。社員の子供を預かるために本社敷地内に設置。「魅力ある企業」を目指す取り組みの一環

 「地域に必要とされる企業となることで初めて存在価値を認められる。そのため地域の消費者に選ばれる商品づくりを目指してきた。6次産業化を通じて地域密着型の産業として地場企業らと連携を深め、『地域未来牽引企業』の認定も受けた。
 岩手は名物となる郷土料理が少ない。九州のような『鶏の食文化』を一関にも、との発想で、『からあげ家』を立ち上げた」(小山社長)商品名も「室根からあげ」と町名を冠して、地域全員で創るブランドのイメージを大事にしており、地域ぐるみで「食文化ごと発信」しようという思いが込められている。

「地域に必要とされる企業となることで初めて存在価値を認められる」と語る社長

 「子どもたちの未来を住みやすく快適な環境にすることが企業の役目だと考え、環境問題にも積極的に取り組んでいる。安全、安心、健康を追求した食材を提供し続けたい」と小山社長は意気込みを語る。

企業名:株式会社オヤマ スライド

企業データ

  • 本社:岩手県一関市室根町折壁字愛宕下161
  • HP:https://www.kk-oyama.co.jp/
  • TEL:0191-64-3511
  • 創業:1966(昭和41)年7月
  • 設立:1969(昭和44)年7月
  • 資本金:5000万円
  • 従業員:590名

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