社長ご挨拶

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株式会社商工組合中央金庫 取締役社長 関根 正裕

ご挨拶

 皆さまには、平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
 商工中金は、2030年の環境変化を見据えた社会・中小企業の課題を認識し、新たな時代に相応しい組織風土・企業文化を形成し、改めて商工中金の存在意義や大切にすべき考え方を共有するために、全役職員が参画のうえ、2022年3月に新たな企業理念(パーパス・ミッション)を制定しました。そして、この「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」というパーパスの実現に向け、中長期的に中小企業が直面する経営課題を踏まえ、2022年度から2024年度までの3年間を計画期間とする中期経営計画を策定いたしました。商工中金経営改革プログラムで培ったビジネスモデルを強化し、より踏み込んだ企業支援に取り組んでまいります。

金融経済環境

 2022年度上半期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による行動制限の影響が徐々に和らぐ一方で、急激に進行した円安やウクライナ紛争等に伴う原材料価格の高騰等、国内外の経済の先行きに不透明感が大きく高まりました。さらに、中小企業の過剰債務解消に加え、政府が進めるカーボンニュートラルへの対応、自然災害に備えた事業継続計画の策定など、中小企業の経営課題は従前にも増して多様化しています。

2022年度上半期の回顧

 2022年度上半期においては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で業績悪化を強いられている事業者に対する資金繰り支援に取り組むとともに、お取引先企業の業況を積極的に把握し、ニーズに応じたきめ細やかな支援を実施しました。
 加えて、急激な為替変動やウクライナ紛争の影響等に伴う原材料価格の高騰等の外部環境の変化に起因する経営課題に対し、適切かつ迅速にソリューションを提供した結果、当金庫の収支は堅調に推移いたしました。この間、業務の合理化・効率化にも取り組み、引き続き経費率も引き下げることができました。
 また、新たな企業理念を自分ごととして捉え、一人ひとりがパーパスを具現化する組織となることを目指し、全役職員向けに「パーパス自分ごと化ワークショップ」を開催しました。このワークショップにより、役職員一人ひとりが自身の価値観を見つめ直し、マイパーパス策定を通して企業パーパスの自分ごと化を進めることができました。さらに、役職や部室店を超えたコミュニケーションを通して、仲間の価値観を知る機会にもなり、真のダイバーシティ&インクルージョンへ大きく前進しました。

今後の業務運営

 長期金利が低位で推移する中、商工中金を含む国内金融機関の収益には下押し圧力がかかっており、その中でも安定的な収益を確保していくためには、基礎となるお取引先中小企業との対話を通じた課題・ニーズの共有を図るとともに、踏み込んだ支援に伴う付加価値の高いソリューションの提供を一層加速させていく必要があります。そのため、お取引先中小企業から課題や悩みを相談していただけるリレーションの構築、課題や悩みの背景や本質を理解するための事業性評価力の強化、課題解決に繋がるソリューション提供の高度化を着実に進めてまいります。
 新型コロナウイルス感染症の影響による借入金の急激な増加、新常態におけるビジネスモデルや商流の変化、業界再編等への備え、気候変動リスクや社会のデジタル化への対応等、中小企業の課題やニーズは多様化しており、これまで以上に本業支援を中心とした適切な対処法の助言や、経営課題解決に向けたソリューションの提供を行っていく必要があると考えております。
 新たな中期経営計画の主要戦略として設定した「サービスのシフト」、「差別化分野の確立」の取組みを加速するべく、2022年10月に「スタートアップ支援室」「ファイナンシャル・デザイン室」「コンサルティング室」を新設しました。今まで営業店に分散していた知識やノウハウを専門セクションに蓄積し、課題解決に向けて取り組むお客さまに対して様々なサービスを提供することを通じて、変化につよい企業経営をともに実現してまいります。
 また、引き続き、ビジネスモデルを支える屋台骨としてのコンプライアンス意識の定着化や内部管理態勢の強化に取り組むとともに、職員の能力を最大限に発揮できる人事制度の構築、ダイバーシティの推進やインクルージョンの徹底にも取り組み、中期経営計画で目指すビジネスモデルの確立に向けて邁進してまいります。

むすび

 「中小企業による、中小企業のための金融機関」として、皆さまから信頼され、支持され、これまで以上にお役に立てるよう、役職員一同、全力で努力を続けてまいります。
 皆さまのこれまでの格別のお引き立てに感謝申し上げるとともに、引き続き力強いご支援を賜りますようお願い申し上げます。