社長ご挨拶

2019年6月 株式会社商工組合中央金庫 取締役社長 関根 正裕

ご挨拶

皆さまには、平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。

商工中金は、危機対応業務の不正行為事案等を踏まえ、真に地域や中小企業に貢献するビジネスモデルの策定やガバナンス体制の強化等を踏まえて、2018年5月22日に主務省に提出しました「ビジネスモデル等に係る業務の改善計画」の実行計画として、同年10月18日に中期経営計画「商工中金経営改革プログラム」を策定いたしました。

本プログラムに沿って、中小企業専門金融機関としての実績・ノウハウや、国内外のネットワークなど商工中金ならではの特性を活かした「経営支援総合金融サービス事業」を展開し、経営改善、事業再生や事業承継等を必要としている中小企業や、リスクの高い事業に乗り出そうとしているが課題に直面している中小企業に対して、課題解決に繋がる付加価値の高いサービスの提供に重点的に取り組んでいるところです。

変わらない使命のために、変わり続け、本プログラムを迅速・着実に実行していくことで、「中小企業による、中小企業のための金融機関」として、皆さまから信頼され、支持され、これまで以上にお役に立てるよう、役職員一同、全力で努力を続けてまいります。

金融経済環境

2018年度のわが国の景気は緩やかな持ち直し基調となりましたが、年度後半には減速傾向が見られました。内需は自然災害要因による一時的な減速を伴いながらも緩やかに持ち直した一方、外需は海外経済の成長鈍化に伴い、徐々に弱含みとなりました。

中小企業の動向については、日本銀行の「全国企業短期経済観測調査」(短観)において、製造業の景況感には減速感がみられた一方で、非製造業の景況感は高水準を維持しています。商工中金の「中小企業設備投資動向調査」では、中小企業の設備投資意欲には改善がみられました。一方、雇用の不足感は高まっており、人件費負担の増加が懸念されています。

2018年度の回顧

2018年度は、中期経営計画「商工中金経営改革プログラム」を策定し、役員が全営業店を訪問して改革の理念を共有するとともに、新たなビジネスモデルの実現に向け以下の通り取り組んでまいりました。

まず、重点分野の取組みについては、深度ある対話による事業性評価を起点に、お取引先のニーズに応じた資金支援を契機とした財務構造改革と本業支援を同時遂行的に行うことで企業価値向上を支援しました。債務超過や赤字等、財務・収支に課題を有しているお取引先に対し、経営改善計画の策定支援等を通じ、事業再生・経営改善を支援しました。産業集約化やビジネスモデルの変革に取り組むお取引先に対し、産業再編M&A、海外展開支援等、商工中金の国内外のネットワークを活用したソリューション提供を実施しました。新たな成長が期待される分野に挑戦するお取引先や創業間もないお取引先に対し、投融資と本業支援一体の与信を実施し、地域の金融機能の高度化に取り組みました。

ビジネスモデルの実現を支える仕組みを構築するため、募集債・法人預金・リテールの三本柱のバランスを踏まえて、持続可能な資金調達方法の確立に取り組みました。また、改革の早期実現に向けてプロジェクトチームを設置して、既存業務の廃止・効率化による事務のスリム化、店舗機能の見直し、バックオフィス業務のコスト低減をはじめとする経営合理化に向けた検討を実施しております。

また、ビジネスモデルの実現に向けた態勢整備として、コンプライアンス意識の立て直しや不正防止に向けた取組みを強化しています。

収支につきましては、資金運用収益が減少したこと等から、経常利益は307億円、当期純利益は144億円となりました。

この間の株主の皆さまならびにお取引先の皆さまのご支援に厚くお礼申し上げます。

今後の業務運営

景気は、海外経済の成長や雇用・所得環境の改善を受け、内需を中心にプラス成長が続く見込みである一方、景気減速の動きを受け、中小企業の景況感は改善に足踏み感が見られます。また低金利環境の継続により、金融機関を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、自立した持続的なビジネスモデルの構築に向けた取組みを一層加速させる必要があります。

そうした状況を踏まえ、商工中金においては、経営支援総合金融サービス事業へ転換し、真にお客さま本位で長期的な視点から、中小企業及び中小企業組合の価値向上に貢献するという基本的な考え方の下で中期経営計画の諸施策を推進し、お取引先とのリレーションを深化させ、真のニーズや課題に応じた最適なソリューションの提供を推進するよう、全役職員が一丸となって取り組んでまいります。

まず、重点分野への取組みについては、ビジネスモデルの前提である事業性評価を通じてお取引先の課題やニーズ把握を深掘りするとともに、地域金融機関や外部専門機関との連携・協業を密にしながら、商工中金の特長を活かしたソリューションを提供できる体制整備と高度化を図ってまいります。

ビジネスモデルを支える仕組みを構築するため、ペーパーレス化やシステム化等による営業部門・バックオフィス部門の抜本的な業務改革、店舗統合等による店舗運営コストの低減、持続可能な資金調達方法の確立に取り組んでまいります。

また、コンプライアンス意識の立て直しや内部管理態勢の強化に引続き取り組むとともに、ビジネスモデルと連動して職員が能力を最大限発揮できる人事制度の構築、ダイバーシティの推進に取り組んでまいります。

こうした取組みにより、「中小企業による、中小企業のための金融機関」として、皆さまから信頼され、支持され、これまで以上にお役に立てるよう、役職員一同、全力で努力を続けてまいります。

むすび

中小企業金融の円滑化と中小企業の成長・発展に貢献するという原点に立ち返り、必要な改革を迅速に実施し、役職員一丸となって、取り組んでまいります。

皆さまのこれまでの格別のお引き立てに感謝申し上げるとともに、引き続き力強いご支援を賜りますようお願い申し上げます。