輝く地域の中小企業

有機溶剤を軸に関連製品を
新たな柱に育てて伸びる

山一化学工業株式会社

“産業と環境の融合”目指し
社会に貢献

有機溶剤のエキスパートとして発展、石油危機で多角化を模索

インキやペンキなどの塗料は、使う前に適正な粘度・濃度に調整する必要がある。それに使われる「混合溶剤」など有機溶剤のエキスパートとして発展してきたのが山一化学工業株式会社(東京・台東区、関谷憲弘社長)だ。
同社は1952(昭和27年)、都内深川で、塗料や工業用溶剤の製造・販売で創業した。以前の溶剤は、魚油や大豆などの天然原料が主流だったが、石油化学製品の輸入が始まって伸びており、これを国産化した。

剝離剤の開発風景

しかし、70年代には光化学スモッグなどの公害問題、さらにオイルショックが起きた。環境配慮型製品の開発に取り組むとともに、有機溶剤の使用が規制されるリスクに備え、新たな事業の柱の模索を開始。81年には、プラスチック・ゴム加工機のメンテナンスに使う洗浄剤や金型の防錆剤など副資材の製造を始めた。
関谷社長は創業一族ではなく、大学を卒業した76年から同社で働いてきた。「78年の第二次オイルショック時には溶剤が無くなりパニック状態になりました。その後の湾岸戦争(91年)や東日本大震災の時にも、適正価格で供給を続けたことが、後の信用につながったのです」

高い技術力で顧客ニーズにソリューションを提供

剝離剤、食品用アルコールなどを新たな柱に

「バイオハクリX-WB」の塗膜への浸透イメージ(同社提供)

剝離剤は、1990年に販売を開始した。97年に発売したアルコール系塗膜剝離剤「バイオハクリシリーズ」は、鋼構造物に塗られた古い塗料を安全・確実に剝がすもの。塗って24時間ほどで塗膜に浸透して軟化、湿潤シート状の固まりとして剝がすことができる。PCB、鉛、アスベスト等の有害物質の飛散を防ぎ、人体への影響や環境負荷が低い。
橋梁等の改修に不可欠なものとして自治体を中心に需要が伸びているほか、塩素系有機溶剤を使わない水系の橋梁向け「バイオハクリ X-WB」、建築外壁向け「バイオハクリ AQ」、また主にアスベスト対策向け「バイオハクリ RE」などラインアップを拡充している。付加価値も高いので次代の柱として期待が大きく、関谷社長は第2次中期計画においても注力すべき事業として位置付けている。

「産業と環境の融合」について語る関谷社長

また、01年のアルコール専売制廃止を受け、06年から食品用の発酵アルコールや工業用の合成アルコール関連製品の製造を始め、食品から医療まで幅広く使われている。食品添加物である発酵アルコール「フードプラス」は、食品の保存・除菌に使え、食品加工機器の洗浄にも使える。
製造工場は96年に那須工場(栃木県大田原市)へ一本化したが、新規事業の順調な伸びもあり、10年に同じ敷地内に発酵アルコール専用の第三製造棟を増設。さらに、16年には隣接地を取得し、樹脂混合品などを製造する第四製造棟を新設した。
「工場では100%地元雇用をしており、地域とともに大きく成長できればと願っています。“産業と環境の融合”を実現し、社会に貢献していきたい」と関谷社長は将来に向けた投資を惜しまない。

企業データ

  • 本社:東京都台東区上野3-24-6(上野フロンティアタワー15階)
  • HP:http://www.yamaichikagaku.com/
  • TEL:03-3832-8121
  • FAX:03-3835-3820
  • 創立:1952(昭和27)年8月
  • 資本金:3億3000万円

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