輝く地域の中小企業

精密金型をコアに
射出成形機から成形品まで展開

株式会社メイホー

精密金型の設計製作から成形品量産まで対応

顧客ニーズに応えるため、金型から射出成形品の製造へ展開

リレースイッチ用射出成形品の製造

プラスチック製品は、身の回りにあふれている。いろいろな形に加工しやすく、一定の強度があるなど、さまざまな利点があるからだ。主要な加工法の一つが、インジェクション(射出)成形だ。加熱して軟化した樹脂を、加圧して金型に充塡することで成形する。
この金型製作をコアに、射出成形機製造から射出成形品の量産まで幅広く手掛けるのが、株式会社メイホー(福岡県直方市、永松克彦社長)だ。
創業者の永松明氏(現社長の伯父)は、大手メーカーで射出成形金型を担当していたが、その部門が閉鎖されることになり、1973(昭和48)年、独立して「メイホー精工」として金型製造を始めた。77年に法人組織となり現社名とし、次第にPETボトルのような中空の容器を作るためのブロー成形金型、半導体用リードフレーム金型、半導体用精密モールド金型など、さまざまな金型に手を広げていった。

金型の仕上げ作業。手作りの木製の治具を使い、手作業で微調整を行う

一方、81年には精密樹脂部品の射出成形加工に進出して事業領域を拡大。さらに複合成形加工やアセンブリーのラインも整えていった。その結果、同社の多彩な金型技術のラインアップによる最適な金型の提案から成形品の量産まで、ワンストップソリューションを可能としている。発注する側にとって利便性が高くトータルコストが削減できるのはもちろん、同社側でも受注の安定化、利益率向上につながる。
「当社は『金型のデパート』を自負している。中小だからこそ、ニッチなニーズに応えて技術を蓄積し、現在のワンストップソリューションが可能な体制ができた。その強みが、国内製造業にとって厳しい時代にも生き残る力となった」(永松社長)

顧客ニーズを把握し技術力の成長につなげる

ニッチに応える小型射出成形機の製造へ

射出成形品のサンプル。自動車の制御関連等の半導体電子部品(同社提供)

近年力を入れているのが、クリーンルーム内に入れることのできる小型射出成形機の製造だ。精密加工には欠かせないクリーンルーム内での量産を可能とする。
しかも、従来の量産型の大型機械は、高価な樹脂を大量に注入しないと動かせず、金型の試作や樹脂の開発に使うには無駄が多かった。これを小型化することで、開発コストの削減につながると同時に、少量多品種のニーズにも応えることができる。

「樹脂、金型に関することなら、何でも聞いてほしい」と語る永松社長

最初の機械を作った1998年以来、社内で使うだけでなく、他社のニッチなニーズに応える機械として着実に売れており、樹脂の研究開発メーカーなどにも納入されている。
「金型の技術には熟練が必要で、失敗等を通じて蓄積したノウハウも人を通して受け継がれる。『企業は人なり』で、人を大切にするというのが創業者から受け継いできた精神。これからもその精神を大事にしてソリューション能力を高め、『樹脂、金型に関することなら何でも聞いてください』と言える企業でありたい」と永松社長は語る。

企業データ

  • 本社:福岡県直方市感田811-1
  • HP:http://www.meiho-j.co.jp/
  • TEL:0949-26-0006
  • FAX:0949-26-3800
  • 創業:1973(昭和48)年1月
  • 設立:1977(昭和52)年1月
  • 資本金:1億円

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