輝く地域の中小企業

人生のどん底から起業で再起、
ワイヤーハーネス製造で地元を元気に

株式会社SUNYOU

信頼される製品とサービスの提供を

9年前に鳥取市で起業し存在感を発揮

同社の主要製品。左上・プロペラ回転数のセンサー、右上・介護施設で使用するセンサー、中央左・二輪車用ETC関連装置、左下・主に自動車用の基板、右下・ワイヤーハーネス(主に北米向け製品で使用)

ワイヤーハーネスとは、電源供給や信号通信などの複数の電線を束にした集合部品である。民生用・産業用の電子機器はもちろん、自動車などでも、多数の電気配線が必要だ。それを間違いなく整然と配線するために、必須の部品となっている。
このワイヤーハーネスを製造・販売する株式会社SUNYOUを2010(平成22)年、故郷の鳥取市で起業したのが川上憲治社長だ。創業9年目の新しい会社だが、川上社長が15年にわたりワイヤーハーネスを販売してきた業界経験や人脈を生かしての起業だった。そのため、工場を立ち上げるやフル稼働となり、初年度で年商1億円を達成。現在は市内に2カ所の生産・組立拠点を有し、横浜にも営業所を置いて全国を商圏として、年商5億円まで成長。鳥取での起業の成功例として有名になった。

リーマンショックでどん底に落ち、故郷で再起を期す

リーマンショックによる苦境からの再起を語る川上社長

川上社長は浮き沈みの激しい人生を歩んできた。1972(昭和47)年に鳥取で生まれ、高卒で大手非鉄金属メーカーの子会社に就職。電線が主力商品の一つで、ワイヤーハーネスのはしりとなる製品の販売で優れた営業成績を上げた。しかし、10年後に子会社再編で会社がなくなり、同業他社に取引先ごと移った。
さらに東京の知人の会社に専務として迎えられたが、2008年のリーマンショックで取引先の工場が長期間操業停止になるなど、急速に経営は悪化し、多大な借金も負い、かなりのところまで追い詰められた。
そんなとき、地元の知人、かつての仲間や取引のあった人たちから多くの支援を受け、鳥取でSUNYOUを立ち上げることができた。リーマンショックからの回復が始まろうとする時期だったこともあり、積極的にどんな注文でも集めて回った。

左・創業時(2010年)の社屋(同社提供)。昔喫茶店だった建物を利用した。右・同社の現在の社屋

また、創業時は資金的に余裕もなく、家賃1万円の建物で事業を開始することとなり、会社の環境改善の必要性を感じていた。そのため、2年以内に新しい建物に移転することを目標に、事業拡大に力を注ぎ、創業2年ちょうどで現在地に本社と工場を移転することができた。
現在、国内自動車メーカーのエンジンセンサーに使うワイヤーハーネスを増産するなど、事業は堅調である。

お客様本位の営業姿勢を貫く

提案力やサービスで差別化、地元とともに成長を目指す

ワイヤーハーネスの品質検査

ワイヤーハーネスは各種機器に必要不可欠な汎用部品。競合他社との差別化を図るため、創業時から提案力やサービスを重視し、あらゆるニーズに迅速に応え、納期も厳守することに努めてきた。この当たり前だがなかなかできない部分をやり遂げることで、信用を築いている。
「現在、フィリピンから研修生を受け入れているが、今後の情勢を鑑み、フィリピンに現地法人を設立することを検討中である」と川上社長は語る。「昭和」的な泥臭さを大切にしながら、今の時代ならではの事業展開を見据える。

企業データ

  • 本社:鳥取市千代水1-1-7
  • HP:http://sunyoujp.com/
  • TEL:0857-50-1528
  • FAX:0857-50-1628
  • 創業・設立:2010(平成22)年7月
  • 資本金:500万円

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