輝く地域の中小企業
物流と情報のネットワーク構築で
弱者の武器となる情報を橋渡し
髙光産業株式会社

目指すは"情報流通倉庫業"
倉庫業から運送へと展開、総合物流業へ

九州・福岡市博多に本社を置く髙光産業㈱(妹尾八郎社長)は、創業85年を迎える総合物流会社だ。現社長の祖父・妹尾環氏が1935(昭和10)年、菜種油を原料に石鹸を製造し始めたが、戦後は大量生産メーカーの時代になり、54年頃には工場の建物を倉庫に転用して倉庫業を始めた。81年に現社長が入社した頃から運送業にも手を広げた。当時はまだ一般的ではなかった、複数メーカーから問屋への搬入をまとめる「共同物流」事業を立ち上げ、さらに24時間対応の配送倉庫システムの構築でリードタイム短縮を実現するなど、顧客のニーズを巧みにすくいとるサービスにより会社の規模を拡大した。90年代には傭車(下請運送業者)を管理する体制に切り替えた。
インターネット時代になり「情報協同組合」を発想

現社長が就任したのは1995(平成7)年。インターネットの商業利用が本格化した年だ。その流れに乗らなければと危機感を覚えて勉強を始め、99年にはネット事業を立ち上げ「博多おためし市場」を開設。翌年に「ネットコミュニティ(NC)九州」、さらに2000年には全国版の「NCにっぽんドットコム」へと発展させた。
これは、自前では高機能な自社サイトを構築するなどのIT化がむずかしい中小企業に対し、協同組合的な組織を通じてIT化を促進するビジネスモデルで、03年にはビジネスモデル特許も取得、06年度世界電子商取引学会で高い評価を受けた。現在では、IT関連で国内外23件のビジネスモデル特許を持つ。

中でも広がりを見せているのが「情報仲介装置」。消費者へのアピールと同時にマーケティングにもなるというもので、エフエム東京グループのミュージックバードが全国のコミュニティ放送局に配信するリスナー参加型プレゼント提供番組「ラジオ2951」に導入されている。プレゼント提供を通じて企業は消費者にPRを行い、応募してきたリスナーの属性情報は特許技術により収集され、マーケティング情報として企業に還元される。このビジネスモデルについては、福岡女学院大学人文学部の浮田英彦教授のゼミと共同研究を進めており、昨年12月には同大学と産学連携に関する協定を締結。さらなるビジネスモデルの進化を目指している。
“顧客の売上増に寄与する情報”を提供
「情報の施主」として、さらなる飛躍を目指す

同社のインターネット事業は、多数の企業と多数の顧客に参加してもらうことで威力を発揮する。多数の顧客の中からニーズを拾いあげ、提供できる企業を結び付けることで、「情報の施主」として企業から一目置かれるようにもなった。
「売上増に寄与する情報の提供で、本業の物流の受注も増える。この好循環が、当社の力となっている」と妹尾社長は力強く説明する。
企業名:髙光産業株式会社 スライド
企業データ
- 本社:福岡市博多区東光2-8-32
- HP:http://www.takamitsu.com/
- TEL:092-477-2929
- FAX:092-411-6756
- 創業:1935(昭和10)年
- 従業員:38名
- 資本金:1億円
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