輝く地域の中小企業

独創的製品を最先端工場で作る 
自動車制御部品メーカー

株式会社テージーケー

絶え間ない革新を原動力に世界最高品質を実現

バルブ技術の圧倒的な力でGNT企業として活躍

右=コンプレッサ容量制御弁。コンプレッサの吐出容量を制御する。吹き出し温度の変化を抑え、コンプレッサの負荷を軽減する
左=温度式膨張弁。室内温度などに応じて冷媒流量を調整し、効率よく冷却を行うための装置

 気体や液体の流れを制御するバルブ(制御弁)。その圧倒的な技術力で、グローバルニッチトップ(GNT)となったのが、㈱テージーケー(本社・東京都八王子市、清宮 仁社長)だ。世界各国に自動車用部品を供給し、カーエアコン用制御機器では世界シェア2位を占める。
 同社は1959(昭和34)年、現社長の伯父・敬氏(故人)と父・巌氏(故人)が、プロパンガスを販売する東邦ガス工業㈱を設立したのが始まり。縁あってカーヒーター制御弁の生産を始め、その関連部品の製造へと事業は拡大。70年代にはカーエアコン制御部品の生産も本格化し、76年に現在地に本社・椚田工場を構えて生産体制を拡充している。84年に実態とかけ離れた旧社名の頭文字TGKを社名とした。88年には次世代を見据えて神奈川県相模原市に城山工場を増設した。

「メードインジャパン」にこだわり、その可能性を問う

韮崎工場。旧来の古い汚い工場のイメージを一新する、「工場らしくない工場」(清宮社長)を目指した。無人化を進めたスマート工場で、人や物の動線や作業環境にも配慮した設計等により「自動化」「見える化」「つながる化」「止まらない化」を実現

 清宮社長は、1994年に大手自動車メーカーのエンジニアを経て入社し、2000年には中国を視察。02年に社長に就任した。
 「ものづくりには3つのカテゴリーがある。①国内のものづくりを堅持する『メードインジャパン』、②市場のある国で生産する『メードインマーケット』、③安価を求めて移転する『メードインローコストカントリー』。自分は①で行こうと思い、それには、中国などに追いつかれないよう常に進化しなければならないと考えた」と清宮社長は語る。
 その進化のために、①教育革新、②技術革新、③生産革新、④営業革新―の4つの革新を掲げた。人材を重視し、技術を高め、生産のノウハウも高める。さらに、世界を相手にするため米国・ドイツにテクニカルセンター、イタリア・中国・韓国・メキシコにメードインマーケットで工場を建設した。さらに18年には⑤購買革新を加え、材料費を減らした。
 また、メードインジャパンの最新鋭拠点として同年設立したのが韮崎工場。
 「ここで作るものは、すべて輸出する。日本で作っても輸出できるものづくりが可能だと見せ、世に問いたい」(清宮社長)

"変化の先に進化がある、革新の先に勝利がある"

時代の変化を見据えた進化で成長し、生き残る

「これからもバルブ技術をベースに、技術に強い会社であり続ける」と語る
清宮社長

 同社では、製品はもちろん、生産設備の開発も行い、自社製の生産設備を揃える。これが強さの源泉となっているが、その人材を育成するのが、同社独自の教育制度「TESP(TGKエデュケーションシステムプログラム)」だ。終業後の100コマを超える講座で熟練社員が若手を育てている。
 「社員が優秀でなければ、世界一の仕事はできない。自動車がEV(電気自動車)化してもエアコンは残るが、エンジンの熱を使う暖房はなくなるから新たなシステムが必要で、部品も変わる。2000年代にも顧客や製品の変化をとらえ、現在のラインアップに変えてきた。育ててきた社員の力が、次の時代の飛躍を切り開くと確信している」と清宮社長は会社の将来に大きな期待を寄せる。

企業名:株式会社テージーケー スライド

企業データ

  • 本社:東京都八王子市椚田町1211-4
  • HP:http://www.tgk-jp.com/
  • TEL:042-664-1341
  • FAX:042-664-5052
  • 創業:1959(昭和34)年12月
  • 従業員:630名(2019年10月)
  • 資本金:7547万円

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