輝く地域の中小企業
販売したフィルムの国内リサイクルで
循環型社会に貢献する包装資材業
野添産業株式会社

使用済みストレッチフィルムの再生原料化で躍進
包装資材業者として発展しストレッチフィルムで躍進

商品をまとめ買いしたとき、複数の段ボール箱が伸縮性の透明フィルムでぐるぐる巻きにされて配達されることがある。高く積み上げた段ボールでも荷姿が崩れず、大量に運ぶ場面では便利に使われている。このストレッチフィルムを中心に躍進しているのが野添産業㈱(野添一夫社長)だ。
同社は1959(昭和34)年、野添社長がビニールや紙など包装資材の卸売業としてスタートさせた。取引先の段ボール工場を、先方から事業譲渡の打診を受けて67年に買収し、メーカーの道を歩みはじめた。
食品用ラップフィルムは60年に国産商品が出ていたが、ストレッチフィルムは流通業界で配送商品の保護材として広まったものの、ほぼ海外からの輸入品だった。バブル崩壊後、メーカーが海外に生産拠点を移し、国内の段ボール需要が落ち込むなか、同社ではストレッチフィルムの需要の拡大に向けて直輸入を始め、製造にも乗り出した。今では売上の半分以上を占める主力商品となっている。
環境配慮が要請される時代に使用済み製品のリサイクル

1980年代から、オゾンホールや地球温暖化が問題として認識されはじめ、90年代には世界的に環境保護に取り組む流れが生まれた。その流れのなかで、使用済みのストレッチフィルムを廃棄するにもコストがかかる時代となり、その回収を同社に求める企業も出てきた。最初は同社で廃棄処分していたが、再生利用できないかと考え、試行錯誤の結果、再生ポリエチレンを原料ペレットにすることに成功した。
再生を事業化しようと、減容機(ペレタイザー)を買い付けた。稼働率を上げるため、使用済みフィルム等は有償で買い取った。フィルム以外の回収のニーズも強く、新工場取得やM&Aなどにより拠点を増やし、幅広いプラスチック製品の再生事業を行っている。
こうしてできた100%リサイクルのごみ袋「スゴエコ袋」は、東大阪ブランド製品として、オンリーワン認定を受けた。
また、最近では、ストレッチフィルムのような薄いものも、使用済みストレッチフィルムから再生して製造できる技術を開発し、実用化目前だ。製造・販売し、使い終わったら回収してリサイクルし、また同じ製品を製造するという完全な循環も実現しようとしている。
社会へ更に貢献できる“良い会社”を目指す
社会に貢献できる“良い会社”づくりを目指して

企業の社会的責任が問われるなか、同社が取り組むリサイクル事業は、循環型社会の不可欠な輪であり、SDGsを意識する大手企業との取引も増えている。世界的に廃プラスチックがあふれて問題化しており、同社への問い合わせは多いという。
「これからは製造技術レベルが向上した海外の拠点網をさらに活用するなど、より幅広く包装資材を提供し社会に貢献する『良い会社』を目指す」と野添社長は展望を語る。
企業名:野添産業株式会社 スライド
企業データ
- 本社:大阪府東大阪市楠根3-5-14
- HP:http://www.nozoe-industry.co.jp/
- TEL:06-6745-1501
- FAX:06-6744-4557
- 創業:1959(昭和34)年4月
- 従業員:120名(グループ計)
- 資本金:3000万円
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