輝く地域の中小企業

創業百年の老舗材木商が
ウエスタンレッドシダーで拓く未来

高広木材株式会社

腐朽や虫害に強い木材「ウエスタンレッドシダー」で専業化

百年企業の老舗材木商、新木場に本拠を置く

木材の搬入・搬出専用の倉庫。頻繁に行われる作業を円滑に進めるため、十分なスペースが確保されている

 東京・新木場は、材木商や木材加工・合板工場などの有名な集積地である。その駅前広場に面してウエスタンレッドシダーをふんだんに使った本社を構えているのが高広木材㈱(渡辺幹夫社長)だ。同社は現在、北米産ウエスタンレッドシダーを専門に扱っている。そのショールームを兼ねて、1997(平成9)年に本社屋を建設した。
 同社は18(大正7)年創業の百年企業。渡辺昭会長の祖父・広氏が、奉公先の高弁商店の支店として独立起業し、奉公先の名前と自身の名前から「高広木材」と名付けた。
 木材一筋で商売を続け、75(昭和50)年に新木場に営業本部を置き、北米材の卸売専業となった。
 そして93年、カナダの仕入先から、日本でレッドシダーの小口販売をやらないかと声がかかった。

北米産木材ウエスタンレッドシダー専業に

ウエスタンレッドシダーによる外壁、デッキの事例。(bcwood.jp提供)

 ウエスタンレッドシダーは、主にカナダ西海岸沿いに生息するヒノキ科の木で、特有の芳香がある。
 北米の先住民族は、この木を「生命の木」とたたえ、信仰のシンボルであるトーテムポールの材料としたり、カヌーや住居の材料として古くから使ってきた。肌触りが柔らかく、天然成分により水に強くて腐りにくく、虫害にも強い。雨や日光にさらされる屋外でも、優れた耐久性と寸法安定性を発揮するなど、内外装、デッキ材などに最適の特質を備えている。
 木そのものの優れた材質と、当時日本ではどこも扱っていなかったことに魅力を感じ、在庫を持つことにした。当初はなかなか売れなかったが、ガーデニングブームでデッキ材の需要が高まるなど、徐々にレッドシダーの良さが浸透した。

使用経験で蓄積したノウハウが強み

ウエスタンレッドシダーの情報発信で需要を創造

「新木場に立地していることが強みだ」
と語る渡辺会長

 「『ありません』では商売にならない。在庫は厚めに持つ」と渡辺会長は言う。それには、木材の集積する新木場という立地が最大限に活用されている。また、長年の経験から、経年変化のスピードの目安や加工ノウハウなどを蓄積してきた。これが実際に建築に使う際、設計業者や建築業者の安心につながる。
 その意味で、ウエスタンレッドシダーの情報発信の拠点となるのが、1997年に完成した本社屋だ。当時はまだ、実際にこの木材を使った実例が少なかったため、ユーザーには使うとどうなるかイメージがわかなかった。本社屋は「見て、感じて、確かめていただき、良さを知っていただくためのショールームであり、最強のセールスマン、情報発信拠点だ」。
 「ウエスタンレッドシダーをもっと多くの人に知ってもらいたい。そのためにも外壁の構造認定取得など、商品開発に取り組んでいく」と、渡辺会長は常に明るく前向きだ。

企業名:高広木材株式会社 スライド

企業データ

  • 本社:東京都江東区新木場1-6-3
  • HP:https://takahiro-mokuzai.co.jp/
  • TEL:03-3521-6121
  • FAX:03-3521-0063
  • 創業:1918(大正7)年
  • 従業員:25名
  • 資本金:4800万円

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