輝く地域の中小企業
石油輸送をコアとする
多角経営の将来図は
「CROSSING」
上野トランステック株式会社

「エネルギー」を軸に脱炭素社会へチャレンジ
国際貿易港・横浜とともに成長、石油輸送業界をリード

国際貿易港である横浜を本拠地として、石油製品、ケミカル製品の輸送・貯蔵・販売、太陽光発電事業、海洋環境事業など幅広く事業展開するのが上野グループだ。石油・ケミカル製品の海上輸送をコア事業とする上野トランステック㈱(横浜市、上野元社長)を中心とする35社からなる上野グループは、1869(明治2)年の創業。創業者の上野金次郎は、伊予国上野村(現愛媛県四国中央市)の出身で、伊予松山藩が神奈川台場で湾岸警備に当たっていた縁で台場工事にも参加した。
金次郎は、幕末の開国で発展著しい横浜の様子を見て起業を決意し、船荷取扱所兼旅人宿「丸井屋」を開業。人口増加で食料など生活物資が不足する横浜に、房総から船で食料を運ぶ海上輸送に目を付けて回船問屋も始め、事業を広げた。1900年からライジングサン石油(旧昭和シェル石油の前身)の石油輸送を始め、石油缶が破損しない工夫など輸送品質で信頼を得て事業は伸び、戦前に 石油の内航輸送でトップに立った。

戦後、石油配給統制会社のもとで石油輸送を再開。タンカーによる海上輸送に加え、タンクローリーによる陸上輸送も手がけ、石油需要の高まりとともに事業は飛躍的に成長した。現在も貯蔵から保険まで「一貫物流」ワンストップサービスを旨として安定的にサービス提供している。
また、旧シェル石油との長年の付き合いからグローバルスタンダードの安全基準を満たしてきたのも強みだ。
時代に合わせ、次々と新規事業を打ち出す
事業150年周年を機に「交差路」で将来像を示す

時代ごとに、伸びる「最新」事業を積極的に取り込み、多角化を進めてきた。例えば、海上防災(消火、オイルフェンス)、船舶代理店(通関業務)、危険物倉庫、潤滑油、油槽所基地管理、ケミカル製品販売など周辺業務を拡大、業界内でも「先駆的」な取り組みを進めてきた。また、電気推進船の開発や太陽光発電事業なども手がけている。
しかし同時に、脱炭素の流れでは、世界的に石油依存度を半減する目標が掲げられ、「石油の時代」が終わろうとしている。そのなかで、石油輸送をコア事業とする同社が掲げる未来図が「CROSSING」だ。
多様なベクトルを持つ新規事業の「交差路」に同社が立つイメージで、今後の重点項目の頭文字(石油化学(ケミカル)、 再生可能(リニューアブル)エネルギー、海外(オーバーシーズ)、人材(スタッフ)、貯蔵(ストレージ)、IT&IoT、新(ニュー)エネルギー、ガス)でもある。

新規事業の例が、鉄道会社の「列車混雑計測システム」の開発で、画像解析を応用した「IoTを活用したプロダクト提供」を目論む。
また、脱炭素関係で注力するのが「液化CO2輸送船(圧入船)」の開発。火力発電所等から排出されるCO2を分離・回収して海域貯留サイトまで海上輸送し、海底下の貯留層へ圧入する。
「今後も世の中の役に立ち必要とされ続ける企業を目指し、全社一丸となって新たな事業に果敢にチャレンジしていく」と上野社長は語る。
企業名:上野トランステック株式会社 スライド
企業データ
- 本社:東京都千代田区霞が関3-2-5霞が関ビルディング7F
- HP:https://www.uyeno-group.co.jp/
- TEL:03-6747-3173
- FAX:03-6748-7005
- 創業:1869(明治2)年3月
- 従業員:2163名(グループ計)
- 資本金:4億8千万円
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