輝く地域の中小企業

婚礼デザインアルバムと
「小さな結婚式」で
時代のニーズを掘り起こす

株式会社レック

結婚式の新たな選択肢を広げる

婚礼デザインアルバムで婚礼写真業界に革命

海外ロケーションフォト。海外での思い出写真を撮影(同社提供)

 結婚は人生最大の節目の一つだ。かつては結婚式は盛大にという意識が強かったが、近年は挙式しないカップルも増えた。時代をとらえた冠婚葬祭サービスで躍進するのが㈱レック(神戸市、高橋泉社長)だ。
 母が運営する互助会の縁で結婚式場で働いていた高橋社長は1989(平成元)年に同社を設立し、結婚関連事業を始めた。最初の大ヒットサービスが95年に始めた写真事業「ラヴィファクトリー」だ。
 台湾では「婚紗照(結婚写真)」という独特の記念写真の習慣がある。写真は前もってカメラマンと一緒に、戸外でのロケも含め一日がかりで撮影する。新郎新婦はきちんとメークアップして衣装なども身に着け、さまざまなポーズで写真を撮る。その写真を披露宴でパネルにして飾り、写真集やポストカードなどにして配布する。これにヒントを得て、結婚記念の写真アルバムを制作する事業を立ち上げたのだ。
 「型にはまった婚礼写真ばかりの日本なら、絶対に需要がある」という高橋社長の確信は当たり、大反響となった。今では業界の婚礼アルバムのほとんどが同社の始めた形式に変わったというほどの革命をもたらした。
 同社では、前撮りだけでなく、フォトウエディング(写真だけの結婚式)のサービスも開発。北海道から沖縄まで国内はもちろん、ハワイ、ロサンゼルス、グアム、パリ、上海など海外拠点も展開。内外300人以上のカメラマンが在籍する。

「小さな結婚式」で結婚式の選択肢を広げる

ハートフルな小さな結婚式を執り行う大阪ハービスENTチャペル。挙式(人前式)・衣裳・ヘアメーク・写真撮影・式場装花など込みで67,000円(税込)からの低価格。会食会場が併設され、挙式後の食事会や小規模な披露宴などもオプションで開催できる(同社提供)

 次に大ヒットしたのが、2000年に始めた「小さな結婚式」。当時の業界では、少子化で単価を上げようとしていたが、高橋社長、離婚・再婚が増えていることに目を付けた。「2度目以降は、経済的負担を抑えたいと考えるはず」と着想した「小さな結婚式」は「決まり事やしきたりにとらわれない心温まる結婚式」としてシンプル化し低価格を実現。予算的に挙式ができない人も増えるなか、ニーズは想定以上に大きく、年間で9千件以上の挙式を手掛けるまでに成長した。コロナ禍で、人を集める結婚式が開催できないなか、フォトウエディングや「小さな結婚式」はニーズを高め、事業の落ち込みからの回復は、業界の中では早い方である。

「低価格」でも「高品質」を

冠婚葬祭を軸に多角化、新規事業も模索する

「小さな結婚式」について語る高橋社長

 現在、同社を含むKSGグループは冠婚葬祭を基軸として結婚式、葬儀、写真、美容、アルバム、輸入、広告、通信(祝電・弔電などの扱い)の8事業を展開する。「次代の柱として、スーパー温泉、古民家ホテル・レストラン、グランピングなどの事業に取り組みつつあります。事業展開のポリシーとしては3つの基準──バリュー(社会的価値)、パイオニア(新たな業態か)、トレンド(時代に合っているか)があります。また、海外ロケーションフォト事業を確立させたい」と高橋社長は熱く語る。

企業名:株式会社レック スライド

企業データ

  • 本社:神戸市中央区東川崎町1-3-3
  • HP:http://www.lec-net.com/
  • TEL:078-360-0920
  • FAX:078-366-6617
  • 創業・設立:1989(平成元)年9月
  • 従業員:667名(グループ計)
  • 資本金:5000万円(グループ計5億円)

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