輝く地域の中小企業

充塡機械トップメーカー
包装資材、食品との相乗効果で躍進

四国化工機株式会社

3事業連携で「安全・安心・おいしさ」を

タンクメーカーから機械メーカーに転換

紙パック入りの「ずっとおいしい豆腐」を「無菌充塡豆腐自動製造機」で製造している様子。パックに豆乳を充塡し、シールしてから固めるので菌が混入せず、賞味期間が長くなる

 紙パックに入った牛乳をはじめとする各種飲料、あるいはカップに入ったヨーグルト等、いまや日常的に目にするこれらの食品包装を行う機械を開発し、圧倒的なシェアをもつのが四国化工機㈱(徳島県北島町、植田滋社長)だ。いわゆる紙パックの屋根型紙容器成形充塡機では、国内シェア70%、海外シェア20 %だという。
 同社は淡路島出身の植田道雄名誉会長(現社長の義父)が徳島で1961(昭和36)年に化学工業・食品工業向けにステンレスタンクを中心としたタンク装置メーカーとして設立し、昨年創業60 周年を迎えた。
 64年には、冬場にだけ仕込んでいた日本酒の通年醸造を可能にするステンレス製四季醸造プラントを開発した。65 年頃、大手乳酸菌飲料メーカーが宅配・回収する飲料容器をガラスびんからプラスチックボトルに転換してワンウェイ化するため、自動充塡機の開発コンペを開催した。何段階もの試作を経て67年に採用され、68年には高周波シール方式による充塡シールラインを開発。アルミキャップを高速溶着するラインを納入した。以後、充塡包装機のメーカーとして発展した。

包装資材、食品事業も展開、3事業で飛躍

昨年新たに稼働した豆腐工場に導入したAIピッキングシステム。豆腐製品の検査工程。AIで豆腐の割れや欠けを検査し、ロボットアームで仕分けする

 創立10周年の1971(昭和46)年に、現在の徳島県北島町に新本社工場を建設し移転。翌72年、アルミキャップの材料となるアルミ箔の販売商権を獲得し包装資材事業に乗り出した。さらに同年、カット式絹ごし豆腐自動製造機を開発。73年から豆腐・油揚げ・厚揚げなどの生産を自社で始め、「さとの雪」ブランドで売り出した。
 充塡機械では、カップ麵充塡シール機、ヨーグルト用カップ充塡機のほか、77年、屋根型紙容器成形充塡機を開発。輸出も本格化し、年間を通じた安定受注が実現した。この紙パック用充塡機が現在も機械事業の柱である。
 80年代には充塡豆腐、木綿豆腐の自動製造機を開発。充塡豆腐は賞味期間10日を実現し、豆腐業界に革命をもたらした。90年代に機械事業では上海に海外拠点を置き、食品事業では関東にも本格進出するに至った。
 「自ら包装資材を手掛け、充塡機との親和性が高い容器を提供できる。グループ会社で紙・プラ両方の特性を活かした複合容器や環境対応型容器など、顧客のニーズを捉えた新しい容器の創造に積極的に取り組んでいる」と植田社長は強調する。

食品産業の最先端テクノロジーを追究

3事業の相乗効果で、「求心力向上」につなげる

「豆腐の品質にはとことんこだわる」と語る植田社長

 機械、包装資材、食品の3事業は、相互に補完し相乗効果を発揮する。この3事業の総合力が同社の成長の原動力であり、顧客に多角的な提案が可能だという。
 「3事業の関連性を意味づけることで、グループ内の求心力や一体感にもつながっている」と植田社長は同社の強みを語る。

企業名:四国化工機株式会社 スライド

企業データ

  • 本社:徳島県板野郡北島町太郎八須字西の川10-1
  • HP:https://www.shikoku-kakoki.co.jp/
  • TEL:088-698-4141
  • FAX:088-698-7391
  • 設立:1961(昭和36)年5月
  • 従業員:1273名(2021年4月、グループ計)
  • 資本金:1億4500万円

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