輝く地域の中小企業

アルミハニカムパネルの
独自技術で差別化図る
アルミ製品メーカー

株式会社フジカケ

軽量・高強度・大型・曲面など多様なオプション

「軽さ」「高強度」を武器に建材等で強みを発揮

ハニカムコア(部分)

 アルミは「軽さ」を求められる分野でよく使われる素材だが、さらなる軽さを求めて使われるのが、「アルミハニカムパネル」だ。強度を出し、軽くするためのハニカムコアをアルミ板2枚で両側から挟んで接着したパネルだ。
 特許技術を含む独自技術を開発しながらこの分野を開拓してきたのが、㈱フジカケ(東京・江東区、岡野一行社長)だ。同社は1994(平成6)年、石井進一氏がアルミ製品販売で起業し、主に建材を扱った。
 その後まもなく、創業者がアルミハニカムパネルという新しい商材に出会った。アルミ板の数分の1の軽さにでき、強度も飛躍的に高くなるので、飛行機の翼や新幹線の床など過酷な場面にも利用されているという将来性の高さに、大きな商機と捉えた。新規事業として取り組んだところ売上は順調に伸び、12年には群馬県邑楽町に新たな専用工場を建設し、現在の主力事業に育った。

独自技術の「減圧接着製法」で躍進

「減圧接着製法」で特許取得、製造設備も独自で開発

同社製アルミハニカムパネルによる庇の施工例(同社提供)

 同社の加工技術を飛躍的に向上させたのが「減圧接着製法」だ。曲面のような複雑な形状を接着させるのに、コスト削減のため、高価なプレス用金型が不要な製造法を模索する中で、「減圧」に着目。空気を抜くことで面材をぴったりと貼り付ける独自の製造法、設備を開発した。
 減圧法によって、パネルの圧着がより均等になり、接着精度も高くなる。また、プレス圧着より接着剤の硬化時間が短くてすみ、短納期が可能となった。ほかにも自社開発の設備である「コア展張機」「圧着用ヒーター」「減圧システム」を有しているため、アルミハニカムパネルとしては国内最大サイズのものが製造でき、同社の競争力を盤石にしている。
 また、曲面アルミハニカムパネルを安価に製造できるので、建物の庇など、高いデザイン性を求められる建材でも強みを発揮する。庇のほか、屋根や壁にも活用され、さらに面板をアクリルなど透明な素材にすることで、よりデザイン性を高めた商品も開発している。
 最近では、液晶ガラス運送用パレットやガラス搬送用アームなど、新たな用途開発も進んでいる。

「なにごとにも挑戦する姿勢」で新規事業に参入

アルミハニカムパネルのサンプルを手に「現在の課題はDXをどのように導入するか」と語る岡野社長

 社員の高齢化もあって、現在は次世代の育成に力を入れている。資格取得を積極的に後押しし、工場では製造に必要な資格取得だけでなく、担当業務の枠を越えた資格取得も奨励している。東京の本社社員にも、積極的に施工現場を経験させ、製品知識を向上させている。
 「基本精神は『なにごとにも挑戦する姿勢』。アルミハニカムパネルについての製造知識がない時点で新規事業として取り組んだ先代の精神を引き継ぎ、何事も前向きに挑戦していく。顧客ニーズには100%ではなく120%の力で回答、提案できるよう努めたい」と社長は言う。

企業名:株式会社フジカケ スライド

企業データ

  • 本社:東京都江東区亀戸2-33-1亀戸233ビル3F
  • HP:http://www.fjp-ahp.jp/
  • TEL:03-5627-3681
  • FAX:03-5627-3680
  • 創業・設立:1994(平成6)年12月
  • 従業員:34名(本社14名 工場20名)
  • 資本金:4,300万円

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