輝く地域の中小企業

オーダースーツづくりで
革命起こす「DXの先駆者」

センチュリーグループ

受注から納品までワンストップ機能を完成

コンピューターの黎明期に型紙設計システムを独自開発

生地に裁断用の型紙をプロジェクターで投影し、裁断の位置決めをする。数百パターンの型紙を有し、独自開発したソフトによって、柄物の生地の縫い合わせ部分の模様の細かな調整も可能となっている。

 オーダースーツの製造・販売を手掛けるセンチェリーグループ(東京都中央区、森本尚孝会長)は、主に販売を行う㈱センチュリーエールを中核に、製造を担う㈱センチュリーテクノコアの2社からなる。コンピューターを使った型紙設計システム開発にいち早く着手した、スーツ製造DXの先駆者として知られる。
 同グループは小田喜代治氏と中川良三氏が共同で1962年に創業した、生地問屋㈱神田センチュリーが始まり。その後、オーダースーツ販売と製造に進出し、役所や大企業への職域販売を中心に発展した。
 創業から8年後、同グループは大きく飛躍を遂げる。業界に先駆けて、コンピューターで型紙を設計する独自ソフトを自社開発し、完成にこぎ着けたのだ。「CADの普及していなかった時代に、床に方眼紙を敷いてシステムを開発した。服屋がシステムをつくったのではなく、システム屋が服を作った」と森本会長は語る。このシステムの開発により、産業や技術に関する賞も多数受賞した。

顧客最優先、お客様の喜びを創造する

オーダースーツを1週間納期で顧客に届ける

豊富な種類の生地を取り揃え、オーダーが入れば必要な分を楽にすぐ取り出せる。ここから裁断・縫製を経てスーツになるが、裁断後のパーツにICタグを付けて全工程を管理、全部署でその情報が共有される

 当時、急拡大していた総合スーパーやスーツ量販店。そうした業態へのオーダースーツのOEM生産を国内で初めて手掛けたのも同グループだ。百数十店舗にものぼる供給先に販売要員として社員の派遣も行うなど、大手ブランドの"黒子"に徹しつつ、広く、販売先や最終ユーザーの信頼を獲得してきた。
 1990年代後半には「クイックレスポンス(QR)システム」を完成させ、オーダースーツを1週間納期で顧客に届けることに成功した。顧客の好みに合わせたサイズ補正や裏地選びもでき、さらに、OEM先のシステム構築業務を顧客ごとにカスタマイズして提供するなど、他社のまねできないサービスを次々と展開していった。
 2019年4月には、生産管理のためのICタグを導入。これを裁断後のパーツに取り付けることで、現在の工程の全てを瞬時に、社内全部署からオンラインで把握が可能な体制を整備した。これにより受注から納品までのワンストップ機能が完成し、生産管理の合理化だけでなく、顧客最優先を実現するサービスの向上など多くの効果があったという。

「国際基準」を目指すも生産拠点はあくまで「国内」に

「お客様の喜びを創造し、信頼される企業であり続けたい」と語る森本会長

 近年、海外大手老舗紳士服ブランドの委託工場としての審査をクリアした。人事制度も含め、厳しい国際基準を満たしたことは、同グループの信用力、ブランド力をさらにアップさせていくだろう。「今後も国際基準にかなう生産管理体制の整備は強化していくが、海外だけに目を向けるのではなく、国内の生産拠点はしっかりと維持し、主力の弘前工場をはじめ各工場で、若手からベテランまで地元の社員が30年、40年、長く勤めたいと思う企業であり続けたい」と森本会長は将来を語る。

企業名:センチュリーグループ スライド

企業データ

  • 本社:東京都中央区日本橋浜町2-22-3
  • HP:http://www.century-grp.co.jp
  • TEL:03-3664-1122
  • FAX:03-3664-1445
  • 創業:1962年7月(㈱センチュリーエール)
  • 設立:1989年5月(㈱センチュリーテクノコア)
  • 資本金:1億8000万円(グループ計)
  • 従業員:577名(グループ計)

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