輝く地域の中小企業

配合ノウハウと徹底した工程管理で
コンデンサ用ゴム部品に強み

小里機材株式会社

ゴムは生きもの
ゴムの品質は"配合"次第

白物家電向けからコンデンサ用ゴム部品の製造へ

同社ゴム製部品が使用されているコンデンサのサンプル

 家電や車載用コンデンサのゴム部品製造を得意とし、顧客から厚い信頼を得ているのが小里機材㈱(東京都葛飾区、藤井直行社長)だ。
 もともと現社長の曾祖父、小里梅吉氏が、水道用の革製パッキン製造を手掛けていたが、その後、現社長の父が事業を承継、1948年に同社を創業した。ゴムの練り工程も開始し、さまざまな需要を取り込んできた。
 まずはパッキン製造技術を、冷蔵庫のコンプレッサー(冷媒ガスの圧縮装置)用ゴム部品の製造へと展開。主要販売先の大手家電メーカーが工場を構える栃木県、さらには販売先の海外拠点であるマレーシア等の海外にも工場を進出させてきた。
 こうした白物家電向け部品を経て、現在では電子基板や車載向けのコンデンサ用封口ゴムをメインに製造。独自の製造工程管理を中心に、徹底した品質管理で他社との差別化を図ってきた。

より高品質が求められる分野へノウハウと技術投資で挑む

バリ取り。厚み、重量、寸法や、金属の混入の有無など、全ての基準を満たしたもののみが通過できる。ここでもロボットによる省人化が図られている。

 ゴム製品は、ゴムの原料だけでは作れない。成形前のゴムの塊にするために、配合剤と呼ばれる薬剤を混合する。カーボンブラックなどの補強剤のほか、ゴムの電気特性や薬品特性、耐久性などを左右する配合剤があり、この"配合レシピ"がゴムの価値を決めるという。同社の強みの一つは、独自のノウハウで開発してきた、この配合にある。
 ただ、「ゴムは生きもの」と藤井社長が表現するように、たとえレシピどおりに配合しても、日々の温度、湿度等の環境変化によって品質が変わってしまうケースも多い。
 特に同社の主力製品である車載用コンデンサの封口ゴム部品については、安全基準の観点から「ゼロディフェクト(不良ゼロ)」の品質確保が求められる。そのためカメラによる全数検査など、相応のコストをかけ、最新鋭機械の導入も行ってきた。
 同時に、新たな技術への投資にも意欲的だ。例えばゴムはオゾンにより劣化しやすいため、オゾンを遮断するために真空状態で加工を行ったり、あるいは加熱処理のプロセスを改善するなど、工夫を重ねてきた。
 「工程の中には、人海戦術に頼る部分もまだ多い。品質、安全管理、省人省力化のあらゆる面で『スマートファクトリー化』を目指したい」と藤井社長は語る。

「スマートファクトリー化」を目指す

"対面"で顧客ニーズをつかみ前倒しで進める研究開発

「顧客にも社員にも愛される会社でありたい」と語る藤井社長

 ゴム製品開発のむずかしさは、一朝一夕には結果が出ない点にある。特に寿命、電気特性の判定に最低でも1年は必要だ。前倒しで設備、研究開発等への対応をしておかなければ、受注を逃すことにもなりかねない。社員には、きっちりと"対面"で顧客のニーズや先々の計画をつかむよう指示しているという。
 ハイブリッドコンデンサ向けなど、新たな部品や素材へのニーズが高まるゴム製品業界にあって、研究開発や設備増強など、同社の挑戦は続く。

企業名:小里機材株式会社 スライド

企業データ

  • 本社:東京都葛飾区鎌倉1-39-7
  • HP:https://www.kozato.co.jp/
  • TEL:03-3657-8770
  • FAX:03-3657-8790
  • 創業:1948年10月
  • 設立:1957年10月
  • 資本金:8095万円
  • 従業員:約1000名(グループ計)

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