輝く地域の中小企業
"ものづくりは演歌"
一人一人のお客様の声に
応えてこそ
株式会社筑水キャニコム

"想定外" "マニアック" "こだわり"に対応
刀鍛冶の技術を農機具製造に "人を生かす事業"へシフト

使いやすく耐久性にも優れた農業・林業等の産業用機械メーカーとして、ユーザーから高い評価を得ているのが、㈱筑水キャニコム(以下、キャニコム。福岡県うきは市、包行良光社長)だ。
創業家は代々刀鍛冶を家業とし、戦時中は軍刀の製造に携わった。しかし戦後、現社長の祖父・良人氏が「今後はむしろ"人を生かす事業"がしたい」と、受け継いだ技術を農機具製作へと転用し、1948年、同社を創業した。
当初はトラクターや耕運機に装着する荷台車(鋼板製トレーラー)を製造していたが、80年代に、現在扱っている動力運搬車や草刈機などへと転換していった。
顧客が最後にこぼす「ボヤキ」をヒントに"さらにひと工夫"

「武骨で不器用なまでに、一つ一つ丁寧に顧客の要望を受け入れてきた結果、おのずと付加価値の高い製品が産み出せるようになってきた」と語る包行社長。同社には通常想定されていない状況でも刈れる草刈機や、公道も走れる運搬車など、マニアックで強いこだわりを持つ顧客からの要望が多い。彼らが「こうだったらいいのに」とポロリとこぼす「ボヤキ」をヒントと捉え、さらに工夫を加えて顧客の課題を解決してきた。
こうした顧客の声を聞き逃さないよう、同社では営業担当が、直接顧客の要望を聞くようにしている。例えばコンテナ荷箱も、「もう少し大きければもっと効率よく運べる」と聞けば即サイズを変更する。地域(東日本・西日本)によって異なるニーズにも丁寧に対応してきた。
「お客様の要望に実直に向き合ってものを作る。それは、たった一人のリクエストにも応えて歌う流しの心意気と同じ。そして人生を応援する演歌とものづくりには相通じるものがある」。同社のモットー「ものづくりは演歌だ」は、そんな発想から生まれた。
"100歳でも扱える農業・土木・林業用機械"を
強みはアフターサービスと常にアップデートされる技術

ギアやトランスミッションには同社独自の技術が使われ、特に歯車の精度や強度には一定の強みを持つ。「今、何が強いというより、常にアップデートして、変化とともに変わっていける技術力が当社の強みだ」と包行社長は言う。
技術に加えて同社が重視するのは、アフターサービスだ。技術は買ってくることも可能だが、アフターサービスのシステムは一朝一夕では構築できない。部品の注文から納品まで、他社では1週間かかるところを、同社は3日で届けるという。「お客様の機械を止めない。それを当社は最も意識している」と強調する。
将来に向けては「高齢者が引退せずにずっと仕事続けられるような、"100歳でも扱える農業・土木・林業用の機械"を作りたい」と話す包行社長。「農業や林業が、高齢者が新規で就けるような職業になるのが理想。そのために誰でも扱える機械の提案を、当社の新たなステージにしたい」と熱い思いを語る。
企業名:株式会社筑水キャニコム スライド
企業データ
- 本社:福岡県うきは市吉井町福益90-1
- HP:https://www.canycom.jp/
- TEL:0943-75-2195
- FAX:0943-75-4396
- 創業:1948年1月
- 設立:1955年12月
- 資本金:1億円
- 従業員:301名
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