輝く地域の中小企業

ホスピタリティ力を生かし
ホテルから介護へと事業を展開

株式会社スーパーホテル

すべては「お客様の声」から始まる

「安全、清潔、ぐっすり眠れる」健康に拘ったホテル創業

室内清掃の様子。清掃事業を専門に行うグループ内の企業が、グローバル人材を活用し、質の高い清掃サービスを提供している

 ㈱スーパーホテル(大阪市、山本健策社長)は、1890年、大阪船場で繊維商社として創業。1970年には、現会長の山本梁介氏が賃貸マンションの運営管理業を始めた。女性の社会進出、結婚年齢の上昇等、社会情勢の変化でシングル層のニーズが高まるなか、学生や単身者向けのシングルマンションを展開したのである。
 さらにこの経営での経験・ノウハウなどを生かしてホテル事業へ進出。1989年にスーパーホテルを設立し、1996年には福岡市に1号店をオープンした。「睡眠に力を入れ、"安全、清潔、ぐっすり眠れるホテル"を目指した」と、スーパーホテルグループを統轄する山本晃嘉副会長は振り返る。その後ホテル事業は順調に拡大し、現在全国に171、海外1店舗を展開する。

安価で安心な介護施設を展開 ノウハウの可視化で感動接客

介護施設の外観。同社では、入居者の症状に合わせて施設やフロアを分け、意思も含め専門に特化した人材を多く配置し、サービスの質向上に努めている。写真はパーキンソン病専門の施設

 ホテル事業と並ぶもう一つの柱が介護事業だ。1996年に山本梁介会長が社会福祉法人を創業した。当時の介護施設の多くは高額で、入居時の初期費用として数千万円かかるケースもあった。一方で高齢者の単身世帯はますます増加し、孤独死の事案にも遭遇した。「介護付きのマンションがあれば、みんな老後を安心して暮らせるのに」との想いから、2000年、まさに介護保険制度がスタートした年に、㈱スーパー・コートを立ち上げた。 ホテル事業で培ってきたホスピタリティを介護に展開した形だ。自分の親を任せたくなるような"安価で、入りやすく、イキイキした生活を送れる施設"を目指した。
 ホテルも介護も、提供するのは人が創り出すホスピタリティであり、人材育成は欠かせない。「目に見えないサービスのノウハウをできるだけ可視化、数値化して社員に示すことで、サービスの向上を図ってきた」と語る山本副会長。そのために介護分野を大学院で研究し、博士論文にまとめ上げた。
 例えばホテルではお辞儀の角度、介護では介護時の声掛けや立ち位置等、これまでの暗黙知を"スタンダード"として明示、社内コンテストや社内マイスター制度の実施等を通じて、全社に展開してきた。

事業を支える人間力は"感謝の気持ち"から

感動を呼ぶサービスの源泉はお客様の声と社員の発想力

「お客様の声に応えることが使命」と語る山本副会長

 同社の強みは、顧客ニーズに応えようと、社員から湧き出てくるアイデアだ。「選べる枕」も、よく眠れないというお客様に、好みの枕で安心して眠っていただこうとの発想からスタート。「"お客様の声"を基点に、社員のアイデアで成し遂げた開発の好事例」と副会長は言う。
 同社が創業以来大切にしてきたのは、人間力と感性だ。特に人間力を養うのは"感謝の気持ち"だとして、社員にも強く求めてきた。「感謝力が高まれば、自然と目標も高くなり、人は成長する。社員にはお客様や身近な人への感謝の気持ちを決して忘れないでほしい」と山本副会長は想いを語る。

企業名:株式会社スーパーホテル スライド

企業データ

  • 本社:大阪府大阪市西区西本町1-7-7 CE西本町ビル
  • HP:https://www.superhotel.co.jp/
  • TEL:06-6543-9000
  • FAX:06-6543-9008
  • 創業:1890年
  • 設立:1989年12月
  • 資本金:6750万円
  • 従業員:4200名(グループ計)

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