輝く地域の中小企業

牛肉の選定に"目利き"の技
食文化を支えるおもてなしの心

株式会社人形町今半

お客様の「欲しい」に応え、事業領域を拡大

伝統と、新たな領域への挑戦
「ご要望は躊躇なく引き受ける」

本店内の客室は、全て個室となっている。落ち着いた雰囲気でお客様の「ハレの日」を演出する。天井には同社の家紋「五三桐(ごさんきり)」が模様として施されている

 代々受け継がれてきた"目利き"の技術で、独自に牛肉の見極めを行い、産地、銘柄、見栄えや格付けでなく、お客様にとっての「美味しい牛肉」に拘り続けているのが、㈱人形町今半は(東京都中央区、髙岡哲郎社長)だ。
 同社は、1895年、東京・本所に牛鍋屋として創業した今半に始まる。やがて大衆向けの牛鍋から、高級路線の関西風すき焼きへとスタイルを変更。1952年に人形町で立ち上げた日本橋支店が、1956年、人形町今半として独立した。創業時から、お客様の"ハレの日"を演出する「世界一のすき焼」の提供を目指し、店づくりを進めてきた。
 独立当初は需要の季節変動が激しく、特に夏枯れ対策は急務だった。そのため、夏向けにしゃぶしゃぶや鉄板焼、ポン酢すき焼等、提供する料理の幅を広げ、この時代に導入したメニューが今でも残る。事業も、「お客様のご要望は躊躇なく引き受けてきた」と表現するように、精肉、惣菜、ケータリング等、次々と展開。既成概念にとらわれず、新たな挑戦を続けてきた。

お客様にとっての"美味しさ"を独自の目利きで追求

精肉部門の店舗の様子。鮮やかな色の精肉が並び、販売員が笑顔でお客様をお迎えする

 同社では、代々"目利き"担当の仕入れ責任者が、磨き上げた技術を駆使し、一人で全ての牛肉の仕入れを仕切ってきた。市場まで出向き、各部位に解体される前の枝肉と言われる状態で品質を確かめる。担当者一人に任されているため、全店舗で同品質の牛肉を提供できる。銘柄や産地、あるいはサシの入り方といった見栄えに基づいた従来のランク付けではなく、お客様にとって本当に美味しい牛肉を追い求めてきた。
 「この目利き力は企業秘密ともいえるノウハウで、誰もが持てるわけではない」と力説するのは髙岡社長だ。品質の見極めだけでなく、味の感覚を磨き、その感覚を言葉で示し、生産者としっかり話のできるコミュニケーション能力が必要となる。
 受け継いできた技は、仕入れ方法だけではない。熟成、加工、そして最終的にいかに付加価値を高めて使うか、一気通貫のシステムが同社の"技術力"となっている。

"伝統と挑戦の心"で日本の食文化発展に貢献

品質の確固たる自信こそが心からのおもてなしを可能に

「素晴らしい料理とともに、文化や人のぬくもりをご提供したい」と熱く語る髙岡社長

 「我々が提供しているのは、素材の美味しさ、美しさ、余韻の残る心地よさであり、誰かに伝えたくなるような体験だと自負している」と髙岡社長は言う。そして、技術力を裏付けとした品質への確固たる自信があるからこそ、誇りをもってお客様に料理をおすすめし、心を込めておもてなしできるのだという。
 「食材を最も美味しい状態でご提供し、料理への期待を高めていただき、食べたら期待以上だったと満足いただけるよう、究極のお客様第一主義を今後も目指していきたい」と髙岡社長は熱く語る。海外に誇れる日本の食文化が、ここにある。

企業名:株式会社人形町今半 スライド

企業データ

  • 本社:東京都中央区日本橋蛎殻町1-4-5
  • HP:https://www.imahan.com/
  • TEL:03-3666-2350
  • FAX:03-3666-7873
  • 創業:1895年
  • 設立:1956年3月
  • 資本金:4300万円(グループ計)
  • 従業員:約1352名(グループ計)

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