輝く地域の中小企業

産業用特殊ケーブルに特化
柔軟性、耐久性で強み

太陽ケーブルテック株式会社

細く伸ばし、撚り合わせる技術で最高レベルを目指す

特殊ケーブルを主軸に高い評価を受ける技術力

通信用ケーブルなどではノイズを防ぐため、銅線と絶縁体を撚り合わせる

 いま世界のあらゆる場所でロボットやコンピュータ、高度医療機器等が稼働しているが、そこには必ず"ケーブル"が存在する。産業用ロ ボットを中心に各種ケーブルの開発・製造を行い、特に可動用ロボットケーブルや海外規格ケーブルなど個別仕様の特殊ケーブルをメインに製造、その技術力で高く評価されているのが太陽ケーブルテック㈱(大阪市、谷口明廣社長)だ。
 同社は1923年、谷口直之氏がゴム線メーカーとして創業、現社長は6代目となる。70年代の高度成長の時代から順次業態を転換、ゴム被覆からビニール被覆の線に徐々にシフトし、さらに汎用品から産業機器向け専門のメーカーに移行してきた。時代の流れや市場のニーズを先取りし、通信機器や産業機器用配線材、可動用ロボットケーブルの開発・製造を推進、現在の主力事業となっている。

設備投資は決して惜しまずハイスペック装置を備える

細く加工した銅線を「撚り合わせる」工程。弓の形状をした金属に銅線を通し、それを回しながら撚り合わせていく。0.08㎜の銅線70本が1本の線になる

 ロボットやFA(ファクトリーオートメーション)装置向けハイパフォーマンスケーブルの分野では、可動域の広さや、激しい動作にも耐えられる耐久性が求められる。柔軟性や耐屈曲性、耐熱性にも優れた同社製の高品質ケーブルは、こうした分野で特に強みが発揮されるという。
 「銅線を細く伸ばして撚り合わせる技術では、世界最高レベルを目指してきた。特にケーブルの柔らかさには定評がある」と語るのは谷口社長だ。ケーブルの場合、まず被膜の素材をどんな配合でどう混ぜるか、さらに芯線の曲がりやすさや伝導性などが、他社との差別化を図るうえで重要なポイントとなる。そのためには高度で繊細な技術・ノウハウが欠かせない。同社では、製造装置だけでなく、検査機器や試験装置もハイスペックな外国製を導入するなど、設備投資は決して惜しまない。
 「厳しい検査や試験を経て生み出される品質には自信を持っている。顧客からの信頼を得るには、品質がすべてだ」と谷口社長は強調する。

将来を見越し、長期スパンで技術開発

外からも積極的に情報収集 AIロボット分野への進出目指す

「皆が笑顔で、高いモチベーションを持って働ける会社づくりを目指す」と語る谷口社長

 現状、特殊ケーブルという比較的付加価値の高い製品の取り扱いが多い同社だが、将来に向け、技術の伝承や開発の手を緩めることはない。なぜなら、「現在の特殊ケーブルの技術は、同社がほぼ20年前に将来を見越して研究開発を行った成果で、その恩恵を今日まで受けている状況」だからだ。そうであれば、さらに20年後を見越し、長期的視点で新規開発に取り組む必要がある。そのため社員には、外に出て情報収集する重要性を伝え、産学連携や展示会、研修会、他社の工場見学等々、外部との情報交換の機会に社員を積極的に送り出している。
 「将来的には、AIロボット分野での受注を目指していく。常に先端技術の市場に参入し続けることで、"ケーブル"の認知度を高めていきたい」と、谷口社長は熱く夢を語る。

企業名:太陽ケーブルテック株式会社 スライド

企業データ

  • 本社:大阪府大阪市北区梅田3-3-20
  • HP:https://www.taiyocable.com/
  • TEL:06-6341-6101
  • FAX:06-6341-6106
  • 創業:1923年7月
  • 設立:1989年12月
  • 資本金:9,900万円
  • 従業員:1200名(グループ計)

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