輝く地域の中小企業
スマート農機、アフターマーケット
農業・農村の6次産業化も推進
株式会社中九州クボタ

大切な農機を守るための、充実した点検・整備体制
整備事業強化、中古市場健全化で安心安全な農業を応援

熊本・大分エリアの農業機械ディーラーとして、農業活性化まで意識した経営で広く評価されているのが㈱中九州クボタ(熊本県大津町、西山忠彦社長)だ。同社は1966年、クボタ系の熊本県内ディーラーとして創業。その後、大分エリアのクボタ系ディーラーと合併、主に2県をエリアとする中九州クボタとなった。
当初は「歩行型」の耕運機などの取り扱いが中心であったが、1970年代以降、徐々にトラクタ、コンバインなど「乗る農業機械」主体へと変遷してきた。そうしたなかで気づいた農機のメンテナンス需要に対応すべく、修理整備専門の大規模な「サービスセンター」を積極的に展開、事業の柱に成長させた。現在、39 の営業所と9のサービスセンターを擁している。
また、農機の中古市場が未整備であることにも着目した。中古農業機械査定士が公正に査定したものを適正価格で買取・販売するという同社独自の認定中古農機売買のシステムを構築する。
「安心安全な農業を応援するとの思いからアフターマーケット(販売後に生じる二次市場)部門の充実を図ってきた」と西山社長は強調する。
スマート農業の普及を促進 営業所に通信機器を設置

同社のもう一つの強みが、リモート操作や自動運転可能なスマート農機の展開だ。エリア内の営業所に独自の通信設備「RTK固定基地局」を配置することで、位置情報のさらなる精度向上を図ってきた。農機の動作誤差を、従来のGPS単独制御の 30 ㎝程度から、2㎝ ~3㎝ 程度にまで縮めることに成功したという。
積極的に投資を実行してきた理由の一つに、「農業の衰退を食い止め、九州の中心である阿蘇平野をスマート農業のメッカにしたい」との想いがある。農機の操作が簡単で、高品質・高付加価値の作物が育成可能であれば、農業従事者の増加も期待できる。同社では、地元の行政に加え、高校や大学とも連携を深め、若い世代にスマート農業を知ってもらい、将来の農業の担い手を育成する活動も行っている。
"玄米パン"で日本の農業に活力を
農機の販売だけでなく日本の農業活性化を志す

現在、日本各地の中山間地域では限界集落化が進み、棚田を中心に耕作放棄地も増加している。こうした場所でまたコメを作れないかと考え、コメの生産・消費拡大に繫がる6次産業化事業として、グループ内に新会社を設立して取り組んだのが、玄米パンの製造だ。パンの原料に用いることが難しかった玄米だが、独自開発した玄米ペーストを原料に、品質、食感、栄養と、いずれも満足できるものができた。現在では玄米製特定原材料8品目不使用のパスタやラーメンも商品化し、輸出にも乗り出している。
「農機を売るだけでなく、その先にある日本の農業、特に稲作を活性化させ、農村の再生を図っていきたい」と、西山社長は農業への熱い想いを語る。
企業名:株式会社中九州クボタ スライド
企業データ
- 本社:熊本県菊池郡大津町引水789-1
- HP:http://www.nakakyushu-kubota.co.jp/
- TEL:096-293-1345
- FAX:096-293-1340
- 創業:1966年8月
- 資本金:2億2,880万円
- 従業員:400名(グループ計)
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