輝く地域の中小企業

独自ノウハウの蓄積で
プレス加工技術に圧倒的強み

株式会社池田製作所

金型からプレス、溶接まで光る一貫製造体制

"経品一体"の理念のもと自動車向け部品で大きく飛躍

溶接工程

 ㈱池田製作所(群馬県太田市、池田剛一社長)は、自動車のブレーキ関連部品を核に、他の機能的部品にも製品ラインを広げ、総合的な自動車部品サプライヤーとして、大手自動車メーカーからも高い信頼を得ている。
 同社は1947年、現社長の祖父が創業。当初は農機具のプレス加工が中心であったが、プレス加工に係る金型と絞り加工技術が大手自動車部品サプライヤーに認められ、自動車部品メーカーとして大きく成長した。創業者の造語である "経品一体(経営と品質は一体との意)"を社是とし、技術力を高め、品質の向上に取り組んできた。

提案力の高さで強みを発揮する"Tier 1.5"の地位

新しい成形加工のプレス機。技術開発によりさらに小型化が進み、切削加工が不要になったことで、特に強度が向上したという

 主要製品であったブレーキ関連部品にも電動化の波が押し寄せると、プレス部品を使わない仕様のブレーキが台頭、受注減少の危機に見舞われる。これを契機に車体、シート、ミッション、排気等の部品にも製品ラインアップを広げていった。また、元々内製化していた、金型設計・制作に加え、外部委託していた溶接工程も内製化し、金型設計からプレス成形、溶接まで一貫対応可能な体制を整えてきた。
 そうした中で、同社が目指してきたのが、提案力を持った「Tier 1.5」(池田社長の造語)としての立ち位置だ。同社の直接の販売先はTier 1で、同社は本来、大手自動車メーカーと直接取引は行わないTier 2だが、「提案力の強化で、Tier 1の困りごとを解決し、自動車メーカーからも弊社を知ってもらえるような地位を確立してきた」と、池田社長は強調する。
 例えば、切削を行わず、プレスだけで加工してほしいという顧客からの要望は多い。コスト削減につながるためだ。他社では切削加工が必要でも、「池田のプレス技術で"切削レス"が可能になった」と評価される技術力が、同社にはある。顧客の設計図に対し、「ここの寸法を修正すれば切削なしで行けます」といった逆提案も可能になったという。さらに溶接のデータやノウハウを蓄積してきたことで、熱による変形まで織り込み、歪みを予測した精度の高い金型の設計提案なども行っている。

"決断と熱意"で難局突破、新事業の柱を構築

高精度の品質管理体制で新分野への進出目指す

"決断と熱意"で、元気の良い企業であり続けたい」と語る池田社長

 同社は、品質管理の面でも高い精度を誇り、「Tier2レベルでこれだけの性能の測定機器を揃えている企業は他にない」と、高い評価を得ている。「測定の機能はTier1と"同じ目線"を意識し、"池田でなければできない"品質管理水準の確保を目指してきた」という。
 次なる事業の柱とすべく新たに乗り出したのが、半導体部品の洗浄装置製造だ。遊休施設だった倉庫を一部改修し、大規模なクリーンルームを設置、受注獲得にも繫がっている。「今後はプレスの新たな技術開発や、半導体関連分野へのさらなる進出も進めていきたい」と、池田社長は将来に向けた取り組みを熱く語る。

企業名:株式会社池田製作所 スライド

企業データ

  • 本社:群馬県太田市西新町135-3
  • HP:https://www.ikeda-mfg.jp/
  • TEL:0276-31-3131
  • FAX:0276-31-3136
  • 創業:1947年3月
  • 設立:1962年4月
  • 資本金:45億円(グループ計)
  • 従業員:830名(グループ計)

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