輝く地域の中小企業
たまご一筋、一貫体制で
「良いたまごをお客様に」
株式会社ナカヤマエッグ

"換気"重視の最新鋭設備で、鶏を育成
ひよこ育成から、たまご販売まで一貫して手掛ける

鶏卵事業では、ふ化、ひよこの育成、採卵、パッキング等のプロセスごとに事業者が分かれるのが一般的だが、ひよこの育成からたまごの販売まで、一貫体制を特徴とするのが㈱ナカヤマエッグ(石川県宝達志水町、中山真一社長)だ。
同社は1955年、現社長の父で現会長の進氏が創業。当時、畜産事業を手掛けるのは資産家や富裕層が多く、他の農業と兼業するケースも多かったが、同社は「たまご以外はやらない」と決め、裸一貫でスタートした。以来、たまご一筋に、「良いたまごをお客様に」を信条として事業を行ってきた。
通常、たまごの生産者は全てを問屋に卸すが、同社では7割ほどをスーパーや飲食店、食品メーカーに直接販売。「直接顧客の声を聞き、ニーズに合ったたまごをつくる、そうした製販一体の道を歩んできた」と中山社長は語る。
こだわりは水、餌、換気 鶏に最適な住環境づくり

鶏卵用のひよこが鶏に育ち、たまごを産むまでに半年かかる。中山社長が「すべては1羽のひよこから始まる」と強調するように、鶏が健康に育つかどうかで"たまごの健康"は大きく変わる。
同社は、まず農場の立地として天然水の産地を厳選、人も飲める良質な水を鶏に与えている。鶏舎も広さや換気にこだわり、通気性の高い設計とした。また、気化熱を利用した天然の冷房装置を設置、猛暑でも鶏が元気に飼料を食べ、水を飲み、快適に暮らせる環境を整えた。感染症予防のためのワクチン接種も、ひよこの段階から計画的に実施し、徹底した健康管理を行っている。
こうした同社の品質に対する信用を背景に、大手医療用ワクチンメーカーからワクチン用の有精卵の生産も受注している。交配が可能となるよう、背の高い特殊なゲージで飼育し、できた有精卵をふ卵器で発育させている。メーカーからの注文に応じて、指定された時間に必要なレベルの発育鶏卵を万単位の必要数で出荷する。技術に加え、設備・発送面でも特殊な対応が求められており、他社にない強みとなっている。
たまごの持つ新しい可能性に挑む
生き物と真摯に向き合い新たな開発にも取り組む

健康な鶏は顔つきが締まり、決して群れることはないという。日々細かく健康管理を行う中で、それでも「生き物相手の仕事では、正解は常に異なり、局面ごとの対応が必要だ」と中山社長は語る。
将来的には、新たな農場を取得し、顧客のニーズに十分応えられる規模の拡大を目指す。また品質改良を継続して進め、「たまごアレルギー」の人でも口にしやすいたまごの開発にも積極的に取り組んでいく予定だ。
中山社長は常日頃から社員に対し、「決して"先生"にはなるな。人の話に耳を傾け、人から謙虚に学べ」と伝えているという。常に自然や生き物と向き合っている同社だからこそ、重んじている教訓だろう。
企業名:株式会社ナカヤマエッグ スライド
企業データ
- 本社:石川県羽咋郡宝達志水町麦生ナ70
- HP:https://www.nakayama-egg.co.jp/
- TEL:0767-28-2000
- FAX:0767-28-4883
- 創業:1955年6月
- 設立:1981年2月
- 資本金:4500万円
- 従業員:250名(グループ計)
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