輝く地域の中小企業

紙からネット関連まで
媒体の進化とともに事業拡大

株式会社第一印刷所

印刷から発送まで一気通貫でこなす

総合印刷業者として発展し帳票需要で事業を拡大

創業当時の印刷機械(同社ギャラリー内に展示)

 情報発信の手段は、かつては紙媒体、つまりチラシや新聞、雑誌、書籍などが優位にあった。印刷業として新潟市で創業し、メディアの進化・多様化に合わせて、印刷だけでなく、ウェブサイトの企画・制作やSNS、映像まで情報発信のワンストップサービスを提供するのが、㈱第一印刷所(新潟市、遠山亮社長)だ。
 ㈱プレスメディア(DTP・クロ スメディア)、㈱第一製品流通(在庫管理・配発送)などのグループ会社とともに、印刷から発送まで一気通貫でサービスを提供している。
 第二次世界大戦下の企業合同で、1923年創業の柳沢印刷所と、1925年創業の堀活版所が合併して1943年に第一印刷所が創設された。
 戦後の1947年には株式会社化し、機関紙や地域情報紙、教科書、学術書、役所の帳票(徴税等)や各種文書(徴税、議事録、予算書等)、新潟県報など、薄紙や情報用紙を使う印刷物を主力として事業展開してきた。
 発展の契機は、1955年に東京工場を建設し、東京進出したこと。新鋭機の導入もあって新潟では人員余剰が生じたが解雇することはせず、余力を東京に投入した。これは創業者で当時社長であった堀仙次氏の英断である。
 同社は高度経済成長の時流に乗り、金融機関の伝票用の三枚重ね帳票などの需要が大幅に増えたこともあり、業容、技術両面で大きく発展を遂げることとなり、現在につながる経営基盤が築かれた。

最新鋭の印刷設備と「つなぎ」の技で強み

オフセット輪転機

 同社では、2021年、最新鋭のドイツ製オフセット印刷機を導入し、「極み印刷」として最高品質の印刷物をつくる体制を整えた。さらに、仕事と仕事をつなぐ人の力にも重きをおいている。
 「培ったノウハウの蓄積で、一気通貫でこなせることが、他社やAIなどには真似できない当社の強みだ。媒体は今後も多様化するだろうから、お客様のニーズに合わせて私たちは提案・開発を続けていかなければならない」と堀一前社長は強調する。

「お客様」の「お客様」まで喜んでいただく

公的資格取得で技術水準の高さを外部に示す

「物言わぬ製品・サービスがすべてを語る」と前社長の堀氏。

 「お客様は常に品質を厳しく評価している。当社の技術・品質を誇るためには、公的な基準による裏付けが必要。全社員に技能士の資格取得を目指すよう推奨し、常に『客観的な資格による評価』を意識させ、重視している。高品質は当たり前で、『物言わぬ製品・サービスがすべてを語る』と肝に銘じている。
 これからも『高品格』なものづくりを心掛け、さらにその先の『極み』を目指す企業であり続けなければならない」と堀前社長は熱く語る。
 ※編集部より 取材当時の社長・堀一氏は、2022年9月19日にご永眠されました。取材へのご協力に感謝するとともにご冥福をお祈りいたします。

企業名:株式会社第一印刷所 スライド

企業データ

  • 本社:新潟市中央区和合町2-4-18
  • HP:https://www.dip.co.jp/
  • TEL:025-382-7400
  • 設立:1947(昭和22)年7月
  • 資本金:4715万円
  • 従業員:241名

商工中金は中小企業の価値向上に取組み、地域経済の活性化に貢献してまいります。まずは、ご相談ください。

お近くの各営業店までお電話ください。

受付時間 9:00~17:00(土・日・祝祭日・12/31を除く)