輝く地域の中小企業
新たなアーモンド食文化を創造し
生活に楽しさ、豊かさ、健康を
井桁堂

独自製法でアーモンドの味を最大限引き出す
小売から自社ブランド製造へ 独自性を追求し、業容を拡大

近年、健康への効果が注目されているアーモンド。そのおいしさ、風味に拘り、独自製法でアーモンドを挽き、特徴ある菓子づくりで強みを発揮するのが井桁堂㈱(愛知県豊田市、服部剛士社長)だ。
同社は1974年、現会長(現社長の父)の幸三氏が公設市場内で大手メーカーの菓子やパンを販売する小売業として創業。
しかし、大手スーパーが台頭してくると、小売業に見切りをつけ、菓子問屋業へ転業。さらに独自性を出すため、詰め合わせの販売や、仕入れた菓子の加工販売などを開始し、徐々にメーカーとしての特徴を備えていった。
当初は自宅の一角を工場に改修し、職人1人、機械1台で和菓子を製造していたが、ギフト販売を中心に手がける中で、次第に日持ちのする焼き菓子が主流となる。2000年以降は、愛知県日進市と豊田市に自社ブランドの製造工場を新設。焼き菓子メーカーとして本格始動した。
アーモンドにこだわり独自製法で差別化図る

同社商品の大きな特徴はアーモンドだ。「売れ筋を追うのではなく、他社と差別化できるような柱が必要と考えた」と語る服部社長。それ以前から原料の一部として使い、仕入れも多かったことから、アーモンドにこだわった菓子づくりを事業の柱に据えた。現在は、名古屋土産の定番となった「名古屋ふらんす」などアーモンドの魅力を前面に出した菓子を中心に、4つの自社ブランドとOEMを手掛けている。
「コーヒー豆も挽きたてがおいしい。同じ発想でアーモンドも挽く工程を自社で行うことにこだわってきた。だからこそ、細かな調整も自社でできる」と服部社長は言う。アーモンドによって菓子の味を一層引き立たせるため、素材であるアーモンドそのもののおいしさを最大限引き出すために、ローストや挽きの加減などで独自の製法を編み出してきた。
栽培から商品化まで"垂直統合"を目指す
アーモンドを主役に新たな価値創造を目指す

また同社は、アーモンドの調達先にもこだわる。以前は加工品を商社から購入していたが、オーストラリアの生産地からの直輸入を開始、現地での生産状況を把握しながら、徐々に直輸入を増やしている。
さらに、現在はゼロに近い食用アーモンドの国内生産を見据えて、山形県の農家と提携し、栽培を開始している。「ハードルの高さは覚悟の上。将来は、栽培から企画・研究、製品製造、販売まで一貫して携わる"アーモンドの垂直統合"を成し遂げたい」と服部社長。
同社の敷地内でもアーモンドの木が大切に育てられている。春の開花の折には「アーモンドまつり」を開催し、近隣から多くの客が訪れる。「アーモンドはおいしく、健康にも良い。その魅力を日本中に広め、当社のブランド力の向上につなげていきたい」と服部社長は熱く語る。
企業名:井桁堂 スライド
企業データ
- 本社:愛知県豊田市高岡町松葉145-1
- HP:https://www.igetado.co.jp/
- TEL:0565-40-9201
- FAX:0565-40-9210
- 創業:1974年
- 設立:1986年7月
- 資本金:3000万円
- 従業員:395名(グループ計)
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