輝く地域の中小企業

ワイン造りはブドウ作りから
ワイン生産は"農業"だ

北海道ワイン株式会社

北海道で"持続可能なワイン造り"

北の大地を純日本産ワインの一大産地に

主力ブランド「鶴沼」シリーズの赤ワイン「鶴沼ハーベストスペシャルキュヴェ ツヴァイゲルト」(左)とスパークリングワイン「トラディショナルメソッド北海道 -鶴沼収穫-」

 日本ワインの「鶴沼シリーズ」を主力ブランドに持つ北海道ワイン㈱(北海道小樽市)。「国産ブドウによるワイン(日本ワイン)を造る」という創業者の思いを引き継ぐのが、2代目社長である、嶌村公宏氏だ。
 同社は1974年、現社長の父、彰禧氏が創業。当時、北海道にもワイナリーはあったが、豪雪という自然環境のもと、ワイン用ブドウ作りは盛んではなかった。一方で、北海道の気候が欧州の銘醸地と近いことに着目。「ワイン造りはブドウ作りから始まる」「ワイン造りは工業ではなく農業だ」との信念で、ブドウ栽培から挑戦を始めた。
 試行錯誤は7年に及び、雪にも対応できるよう改良を重ね、80 年、ついに同社初のワインを発売した。

最先端技術を駆使し長期視点でブドウ栽培

約40名が総がかりでひと房ずつ丹念に確認。不良な粒を取り除き、収穫時にもチェックを重ねながら、最良の状態に整えて収穫する

 現在、同社は北海道を中心とした国産ブドウを原料にワインを製造。直轄農場の鶴沼ワイナリーは、垣根式のブドウ畑としては日本最大規模を誇る。他にも200軒を超える農家と契約を結び、ワイン用ブドウの産地形成を進めている。嶌村社長は、「ワインになったときのことを考えたブドウ作りのできる農家に連携をお願いしている」と強調する。
 ブドウ作りで最も大切なのは、苗木の選択、育成だという。北海道の厳しい冬の気候条件はブドウ樹に与える影響が大きく、20年~25年のサイクルで植え替えが必要になる。同社では将来の気候変動予測なども踏まえ、入れ替えの都度、条件に合った苗木を吟味して選択する。「ここまで長期視点で計画的に植え替えを行っているところは、他にないのではないか」と嶌村社長は胸を張る。
 同社はスマート農業にも注力。収穫ロボットアームや、農薬を減らしつつ害虫・雑草から守る自動防除システムの開発を、大学等と連携しながら行っている。さらに病害に耐性のある品種の栽培などで、人や環境に配慮したブドウ作りを心掛けている。

"北海道産ワイン"を世界ブランドへ

感謝と誠実を心に"北海道に必要な企業"を目指す

「環境や時代に合ったワイン造りで、北海道を世界最先端のワインの産地にしたい」と語る嶌村社長

 こうして丁寧に育てたブドウを収穫すると、いよいよワイン造りに入る。本社醸造所には最新鋭の醸造装置が立ち並ぶ。中でも同社が重視するのは"選果工程"だ。糖度によって自動でブドウを仕分けられる最新鋭の選果機を導入、それぞれの糖度に応じた良質なワイン造りが可能となった。
 「北海道ブランドの確立を率先して推進し、北海道に必要とされる企業を目指していきたい」と嶌村社長はいう。"北海道産ワイン"の発信拠点となるべく、同社では、醸造所の地下のワイン貯蔵庫をリニューアルし、ワイナリーツアーやイベントを開催している。
 「おいしいワインを造ることは大前提にすぎない。北海道を"持続可能なワイン造り"の一大拠点に育てることが究極の目標だ」と、嶌村社長は夢を熱く語る。

企業名:北海道ワイン株式会社 スライド

企業データ

  • 本社:北海道小樽市朝里川温泉1-130
  • HP:https://www.hokkaidowine.com/
  • TEL:0134-34-2181
  • FAX:0134-34-2183
  • 創業:1974年1月
  • 資本金:4億4689万円
  • 従業員:76名(2024年11月末)

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