輝く地域の中小企業
外国人労働者活用でIT化推進
生産効率アップで戦力強化
協和プレス工業株式会社

IT化でさらなる省力化と生産効率向上を実現
業務用冷凍・空調機の少量多品種・短納期の部品供給に強み

和歌山市は紀伊半島を西流する紀ノ川の河口に位置する。県庁所在地だが県の北端にあって大阪府と接し、阪神工業地帯南端の重要な工業都市だ。その東隣の紀の川市に本社を置き、同市と和歌山市に工場を展開、精密板金加工とプレス加工の技術をベースに板金部品を供給するのが協和プレス工業(株)(野村壮吾社長)だ。
現社長の祖父野村由之助氏が地元の三菱電機(株)和歌山製作所(現三菱電機(株)冷熱システム製作所)の協力企業として、1963年に創業し、最初は業務用ミシン部品を製造。以来、協力工場として業容を広げ、和歌山製作所の主力製品が冷凍機や空調機に転換すると、同社も業務用空調・冷凍機関連部品の製造を主力とするようになった。
同社が製造する部品は、大量生産をしないものが多く、種類も多岐にわたる(5000アイテム超)。「少量多品種の部品を1日に4回の時間指定で必要分だけ揃える」という大手電機メーカーの厳しい要求に対応可能なのが同社の強みだ。
同社の製品は冷凍機や空調機の内部で使われており、「『見えないところで活躍する部品を作っている』との自負を社員と共有している」と野村社長は言う。
外国人労働者活用を契機にIT対応力を高度化

「企業は『機械』と『ひと』だ。設備は最新のものを入れ、人の負担を少なくし、省力化を進めてきた。しかし、人集めは悩ましく、地元和歌山県内では確保が困難だったので、海外からの技能実習生受け入れを試行。それから継続的に採用するようになった」と野村社長は振り返る。
「発注が3次元設計図で来るようになって3次元CADを操作できる人材が必要になるなどIT化対応が求められたタイミングで、海外出身の人材を採用した。和歌山で働きたい日本人は減っているが、日本で定職に就いて働きたい外国人労働者は多く、技術力は日本人と全く遜色ない。結果として、採用難が解消し、社員の3割程度が外国人だ。
海外から採用した人材で、CAD以外にも、あらゆる面でIT化が高度化した。例えば、受注した瞬間に工数、必要時間、作業員がどこに何人必要で、機械をどう回すかが計算され、指示できるなど、全体の生産効率向上を実感している。他社との差別化ができたことから、『外国人労働者に人気のある会社を目指す』ことを強く意識した」と野村社長は言う。
見えないところで活躍する部品を作る
生産管理システム、ノウハウの輸出、コンサルティングを目指す

「当社の生産管理ノウハウを、いずれは海外で外販したい。『日系大手の下請のローカル企業』であれば改善の余地は大きく、ニーズがあるはずだ。当社の外国人スタッフが現地企業に、日本の合理的な生産管理の手法をコンサルティングできると考える。『生産管理システム、ノウハウの輸出、海外コンサルティング』が将来の夢だ」と野村社長は熱く語る。
企業名:協和プレス工業株式会社 スライド
企業データ
- 本社:和歌山県紀の川市長田中345-7
- HP:http://www.kyowa-p.co.jp/
- TEL:0736-73-3211
- 創業:1963年12月
- 資本金:2000万円
- 年商:12億円(2022年3月期)
- 従業員:100名
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